戻ってくる可能性はゼロに近い!
3)やむを得ない事情があったとしても最後の手段は普段から考えておくべし
「そうはいっても勢いで手放さざるを得ない事情があるんだよ!」という方もいるはずです。事実、やむを得ない事情を抱えているケースも多々あると推察します。
近々、まとまったお金が必要……となったとき、確かにクルマ売却することで一定の金額を補填できるでしょう。ただ、これはあくまでもジョーカーであり、切り札。最後の最後の手段です。その前段階で切り崩せるものはないか、または切り崩しても大丈夫か、日頃から家族や親族と話しておくことで、愛車の売却を回避できるかもしれません。
4)手放したら2度と戻ってこないと思うべし
自動車販売店の下取りや買取り業者であればいうまでもなく、たとえ友人・知人であっても、「手放したら2度と戻ってこない」と覚悟しておく必要があります。
じつは筆者も、以前所有していた愛車が偶然売りに出されていることを知り、販売店にアポイントを取って実際に見に行きました。旧車だったこともあり、相場が上昇していて売却したときの8倍(!)という、高額な販売価格に諦めざるを得ませんでした。お金さえあれば買い戻せる……しかし、あまりにも非現実的な金額。そのときの悔しさはいまでも忘れません。
5)運良く買い戻せても別のものになっていると知るべし
何らかのミラクルが起こり、元愛車が手元に戻ってきたとします。それはまさしく「奇跡」以外の何者でもありません。間違いなく「超」がつくほどラッキーなできごとです。たとえそれが友人・知人から買い戻したとしても、です。
しかし、運良く買い戻せたしたとしても、思いがけない現実を知ることとなります。紛う方なき元愛車だけど「どこか他人のもの」である気配が消えないのです。もしも奇跡が起こったら、前オーナーの痕跡を消すためにも、もういちどゼロスタートで自分色に染め直してください。
結論:遅かれ早かれ後悔すると知るべし
少し気持ちが離れかけている愛車を手放すことで、のどに刺さった小骨が消えたかのようにスッキリするかもしれません。でも、それはあくまでも一時期的なもの。
今日、ちょっと時間があるから愛車でドライブしようかな……あ、もう手放したんだっけ。仕事から帰ってきて、自宅の駐車場やガレージにあるはずの愛車がない……あ、もう手放したんだっけ。
このように、ふとした瞬間に「もう愛車は手元にないんだ」という現実を思い知ることになります。自分では意識しないように努めれば努めるほど、思い出す回数が増えていきます。そしてあるとき、無意識にこうつぶやくのです「あ、手放さければよかった」と。
しかし、手塩にかけた愛車はもう手元にはありません。戻ってくる可能性も限りなくゼロに近いです。厳しいけれど、これが現実です。
もし、いま、愛車を手放そうか迷っている人が何らかの偶然でこの記事を読んでくださっているとしたら……。「とりあえず、頭冷やそう、冷静になろう」という行動につながることを切に願います。