悪路を走るならTプレミアムの4WD!
一方、軽自動車でも、デリカの名を冠したクルマだけにアウトドアフィールドへのロングドライブの機会が多い、ちょっとした悪路も走りたい、せっかくの後席居住空間の広さを生かし、家族や仲間と4人乗車することもある。季節を問わず、愛犬を後席に乗せてドライブしたい……というなら、グレード、駆動方式選びの答えは明快。ズバリ、新型デリカミニの真打ちグレードと言っていい最上級、最高価格のTプレミアムの4WDである。
高速道路を使ったロングドライブでは、ターボエンジンの、フル乗車、アウトドアの荷物満載にも対応するパワー、トルクの余裕によって、より低いエンジン回転数で走れることになり、車内の静かさでも一枚上手。ロングドライブの快適感に大きく貢献してくれるのだ。また、プレミアムグレードに標準装備されるMI-PILOT、ACCが威力を発揮してくれることは間違いなく、合わせて電子パーキングブレーキ&オートブレーキホールド機能によって、日常から渋滞時まで、より快適で(主に右足)ストレスのない運転が可能になるのだ。
デリカミニの4WDのメリットは、ちょっとした悪路、雪道でより安心安全な走破性を示してくれるだけでなく、さらなる高速走行時の安定性の高さによって、運転疲労低減にも直結。専用チューニングサスペンションと155/60R15サイズの大径タイヤによるオン/オフロードを問わない乗り心地のよさも、オールラウンダーとしての大きな魅力になりうるのである。
そんなTプレミアムグレードは、愛犬と愛犬家にもうってつけのグレードだ。実際、すでにわが家の愛犬を後席に乗せ、初夏のロングドライブに出かけているが、車内でどこかにつかまれない犬に嬉しい乗り心地の良さ、前後左右の姿勢変化の少ない安定感、犬が安定して寛げるフラットな後席座面に加え、ターボモデルのみのパドルシフト、プレミアムグレードならではのプラズマクラスター付きのリヤサーキュレーター、ロールサンシェードが大きなドッグフレンドリーポイントになりうるのである。
その意味を詳しく説明しよう。まずパドルシフトは、減速用の「-」パドルを操作することで、下手にブレーキを踏むよりずっとスムースな減速が可能で、繰り返すけれど、車内でどこかにつかまれない犬もより快適にドライブを楽しめることになる。
リヤサーキュレーターは、1年中、毛皮を着ていて、足の裏からしか発汗できない、暑がりの犬にとって、後席の空調環境(空気の動きと暑い時期の涼しさ)を大きく高めてくれる快適効果があるのだ。ロールサンシェードもまた、犬が乗車する後席の直射日光を和らげ、車内温度上昇抑制に効果的なのである。さらに、プレミアムに標準装備、ベースグレードにオプションのマルチアラウンドモニターは、クルマのまわりにいる飼い主と犬も、モニターで一目瞭然。安全面でのメリットもあったりするのである。
もっとも、Tプレミアム4WDの価格は車両本体で223.85万円だ。タントファンクロスの最高価格となるターボ4WDモデルの193.05万円(リヤサーキュレーター設定なし)、スペーシアギアの最高価格のHYBRID XZターボ4WDの192.28万円(電子パーキングブレーキ&オートブレーキホールド機能なし)と比べ、MI-PILOTの標準装備などもあり、高めの設定となってしまう。「デリカ」というネーミング、存在にそれほどこだわりがない人であれば、デリカミニはライバルより高い!! という印象になるのは当然だろう。
しかし、その価格に見合う魅力が、たとえば犬らしき!? 「デリ丸。」の顔を彷彿させる、可愛い犬顔のLEDヘッドライトであり、デリカらしさをより強く表現しているゴツカワいいライバルとは一線を画すルックス、4WDモデルの専用チューニングサスペンション、専用タイヤ、MI-PILOTの装備でもあるわけだ。そうしたところ(三菱のこだわり)に共感できる三菱&デリカファン(D:5愛用者含む)はもちろん、アウトドア派、愛犬家にとっても、デリカミニはライバルを退けるに足る選択であると思える。