シリーズ屈指の最激戦区として一見の価値あり
事実、JN5クラスでトップ争いを展開する上位ランカーたちは、1500cc〜2500ccの前輪駆動および四輪駆動車を対象にしたJN4クラスのスズキ・スイフトや1500cc〜2500ccの後輪駆動車を対象にしたJN3クラスのトヨタGR86/スバルBRZなど格上モデルを凌駕することも珍しくはない。
しかも、ドライバーの顔ぶれも競技経験の少ないビギナーから百戦錬磨のベテランまで勢揃い。ベース車両がリーズナブルなこともあって参加台数はつねにシリーズ最大のエントリーを集めていることもJN5クラスの特徴と言えるだろう。
JN5クラスにトヨタ・ヤリスで参戦する小川剛選手は、「まずクルマが軽いですよね。僕が乗っているヤリスは1トンを切るぐらいなので、ストレートは遅いですけど、減速せずにコーナリングできるのでコーナリングは速いです。ノーマルの状態でもバランスがいいし、RJ車両であれば改造範囲も広いので戦闘力もかなり高い。乗り手やコース特性、コンディションによってはFFで最速タイムも出せますし、オーバーオールでも上に行くこともできる。しかも、コストはリーズナブル。初心者からベテランまで楽しめるクラスだと思いますよ」とのこと。
同じくJN5クラスにトヨタ・ヤリスCVTで参戦する大倉聡選手も「車種ラインアップも多彩ですし、CVTモデルで参戦できるところもJN5クラスの魅力ですね」とのこと。ちなみに大倉選手はCVTモデルについて「ほぼDモードで走っていますが、まったく違和感はないです。アクセルとブレーキのペダル作業とステアリングに集中できます」とのことで、CVTモデルでも十分にスペシャルステージをアタック可能。それを証明するようにラリー丹後ではヤリスCVTを駆る大倉選手がJN5クラスを制覇した。
まさにJN5クラスの主役は“お母さんの買い物用のクルマ”だが、その走りは国内最高峰シリーズにふさわしく、コースサイドで見ていてもスピード感は高い。シリーズ屈指の最激戦区として一見の価値があるクラスだと言えるだろう。