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同じアスファルト舗装でも「公道」とは別モノ! レーシングドライバーが語るサーキット舗装の秘密 (2/2ページ)

同じアスファルト舗装でも「公道」とは別モノ! レーシングドライバーが語るサーキット舗装の秘密

この記事をまとめると

■日本の道路舗装率はひと昔前まで30%に満たないほど低かった

■一般道では耐久性重視の設計をしているほか、「高機能舗装」といった舗装も増えている

■サーキットはミューの高い舗装がされておりラバーグリップも発生しやすい

一般道とサーキットで路面はどれほど違うのか

 クルマ好きな人達の間でたびたびテーマとして取り上げられる「サーキットと一般道の舗装ってどう違うの問題」。これまでの経験を踏まえて解説してみたい。

 一般的にクルマが走る道の多くは舗装がなされている。少し前までは日本の道路舗装率は28%以下(国交省調べ)の低さだとして話題になってきた。それを踏まえて自動車メーカーやタイヤメーカーも舗装路だけでなく砂利道など未舗装道路にも対応できるクルマ作り、タイヤ作りを進めてきたものだ。日本の道路の多くが農道や林道などで占められていることが舗装率を引き下げる要因になっているともいえるが、近年は生活圏の道路舗装率を中心に車両開発が行なわれるようになり、舗装路への適合性がより高まっているといえる。タイヤの扁平率が小さくなり、車高や空力など舗装路での性能に特化した仕様のものが多くなってきた。

 しかし、舗装路と言っても一様ではなく、またサーキットなど一般道とは異なった舗装を敷いているケースも多い。

 一般的に舗装にはアスファルトやコンクリートが用いられ、高速道路などでは数十トンの重量に耐えられる高強度の混合素材が用いられることもある。また、雨天に雨水を吸収しハイドロプレーン現象の発生を抑える「高機能舗装」なども部分的に用いられている。高機能舗装は乾燥時にはタイヤのロードノイズを吸収してくれるので騒音対策としても用いられるものだ。

 これらを敷設しても経年変化や交通量で表面の状態は変化し、一般的なタイヤでも路面とのミューの変化が大きい。敷設したばかりの高機能舗装では豪雨時でも乾燥舗装時と変わらないほどのグリップ力を得られるが、舗装路面が通常のアスファルトに変わると突然スリップしてしまうというケースが多々ある。

 このように一般道では舗装面を注視し、グリップレベルを読み間違えないように気をつけないと危険だ。自動運転機能なども前方の路面を判別する機能が備わらないと安心して任せることができないのだ。

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