かつてはナンバーから「自宅を突き止めて」訪問するセールスも! イマドキの新車の売り方と「閉店間際に来店」が有効なワケ (2/2ページ)

いまでは予約をして店を訪れるのが基本となっている

 ちなみに大昔には、アポなしで夜間訪問を行うなどサプライズな売り方が新車の受注に大きく貢献した。店頭にやってきたものの、名前も告げずに帰っていったお客がいたとする。しかしセールスマンの勘で「このお客は注文が取れそうだ」となると、お客が乗ってきたクルマのナンバープレートを照会して自宅を突き止めて訪問したら、「よくわかったねえ」と好意的にとられて見事受注できたなんて話も聞いたことがある。 だがこれは個人情報という概念がいまよりかなり希薄な時代の話であり、いまでは問題山積みで、とてもではないが、やりたくてもできない売り方である。

 朝イチはともかく、夕方の商談は予約をとるのも有効といえるだろう。それこそ昭和や平成の時代には、アポなしで気軽に新車ディーラーへ出かけることができたが、いまや働き手不足も深刻で、筆者はそれでもアポなしでディーラーを訪れるのだが、どこでも「ご予約はありますか?」と聞かれる始末。まあ、ディーラーからすれば「予約したんだから……」というプレッシャーをお客に与えて、より受注につなげやすくしようという思惑もあるように見える。

 だが、予約を入れて来店し、しかも予約先店舗がノルマを達成できずに苦しんでいれば、「このお客はなんとかしたい(受注したい)なあ」と先方の期待度も俄然アップするなか商談に臨むことになるので、短期間で好条件を引き出しやすくなっているともいえよう。

 そうした場合の商談は短期間勝負なので、ポイントを整理することが大切である。残価設定ローンを利用するならば、月々の支払い額がいくらならOKなのか、現金一括払いならば支払い総額がいくらならOKなのかなど、交渉のポイントを絞り込むことが大切である。ゲーム感覚で車両価格からの値引き、オプションからの値引きなどと交渉していれば、短期間勝負を挑んできているのでディーラーサイドの熱がより冷めやすいのである。

 いまどきは週末でも点検などの入庫で訪れる人も多いので、その意味でもできるだけ来店客の少ない朝一番や閉店間際というのはじっくり商談できるしねらい目なのである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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