プライベートで買ったのに「会社のクルマ乗ってきた?」とか言われちゃう! 「社用車オーラ王」を決めてみた (2/2ページ)

どのクルマもシルバー系はなかなか難しい

「ベーシックグレード+白という組み合わせでも、意外と社用車っぽく見えないクルマ」というのはけっこうあって、現行型ホンダ・フィットもそんな一台だ。

 もっともベーシックなフィットである「BASIC」を白く塗れば営業車っぽく見えそうなものだが、実際には、白といっても光沢のある「プラチナホワイト・パール」であるということと、まぁそんなに悪くはない樹脂ホイールキャップのデザインが影響し、さほど営業車っぽさは感じない。

 とはいえそんなフィットも、ベーシックなグレードに「ルナシルバー・メタリック」を組み合わせると、若干の社用車っぽさは炸裂する。

 シルバー系というのは難しい色のようで、斬新でモダンなエクステリアデザインが特徴となる現行型日産ノートも、もちろんほとんどのボディカラーにおいては社用車っぽくなど見えないのだが、唯一の例外として「ブリリアントシルバー(M)」だけは、若干の社用車感が醸し出される。もちろん悪い色ではないので、ブリリアントシルバー(M)のノートを買うのもご勝手ではあるが、購入後はワイシャツ姿では乗らないほうがいいだろう。余計なお世話だが。

 さて、「ノーマルだと社用車っぽく見えるクルマ」のナンバーワンは、なんといっても古い車台のまま製造販売が続けられている「現行型トヨタ・カローラフィールダー」なのではないか? と思う人もいるかもしれない。筆者も調査前はそのように思っていたのだが、実際は違った。確かにホワイト系とシルバー系のカローラ フィールダーは「ザ・社用車」としか言いようのない味わいだが、その他のボディカラーだと、「このサイズ感が好きで乗ってる人のプライベートなステーションワゴン」にしか見えないのだ。

 そして調査の結果、真のナンバーワンは「トヨタ・カローラアクシオ」であることが判明した。ご承知のとおり、新型カローラが2019年9月に発売されて以降も販売が継続されている、2012年デビューの5ナンバーセダンである。

 これがなかなかの強者(つわもの)だった。同世代の5ナンバーステーションワゴンであるカローラフィールダーの場合は、前述のとおり「ザ・社用車」に見えるのは白とシルバーだけで、その他のカラーだと意外とそうでもない。

 だがカローラアクシオは、何をどうしたってダメなのだ。いや「ダメ」ってこともないのだが、とにかく、何をやっても「ザ・社用車」にしかならないのである。

 白やシルバーは当然として、「アバンギャルドブロンズメタリック」であっても「零細企業の役員車」のようであり、「ヴィンテージブラウンパールクリスタルシャイン」を適用してみても、結果はほぼ同様。なんとなくIWAKURAの浩太社長が乗っていそうな雰囲気がある。

 そして地味な水色メタである「ライトブルーメタリック」のカローラ アクシオは当然ながらザ・社用車なわけだが、試しに「大径アルミホイールに履き替えたライトブルーメタリックのカローラアクシオ」の画像を見てみたら、「不良社員によって勝手にホイールを替えられてしまった中小企業の社用車」にしか見えなかった。

 そんな強力な磁場を持つカローラ アクシオのなかで社用車っぽっく見えないのは、2016年5月に発売された特別仕様車「W×B(ダブルバイビー)」だけである。

 フロントアッパーグリルにスモーク塗装とメッキ装飾を施し、フロントロワグリルにもメッキ装飾を施したドットパターンを採用。そしてブラックエクステンションを用いたBi-Beam LEDヘッドランプ+LEDクリアランスランプを採用し、16インチのタイヤ&アルミホイールを装備したカローラ アクシオW×Bは、さすがに社用車には見えない。「……5ナンバーサイズのセダンが大好きなカーマニアが乗ってるんだろうな」みたいな感じである。

 とはいえ、「そこまでやらないとプライベートカーには見えない」というカローラアクシオも、それはそれで逆にすごいクルマだな……とも思うわけだが。


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

愛車
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絵画制作
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