この記事をまとめると
■ひと昔前のタクシーは「Nレンジ+サイドブレーキ」で信号待ちしていた
■この組み合わせで停車をすると追突する事故も多発していた
■最近はボタン押すだけで完全に停止する「オートブレーキホールド」が採用されている
タクシードライバー時代のクセが抜けない!
筆者は経歴ともいえないほどの超短期間だが、東京でタクシードライバーとして、都内を流していたことがある。超短期間とはいえ、1回の乗務で休憩があるにせよ、21時間は運転を続けることにもなり、そのときは信号待ちのときなどはAT(オートマチック)セレクターをNレンジに入れ、サイドブレーキを引いていたので、そのクセが残り自家用車を運転していてもそれが抜けていなかった。
筆者がタクシーに乗務していた当時は紙ベースの乗務日報があり、お客をどこで乗せ、どこで降ろしたかはドライバー個々で手書きにて記録していた。ちなみにいまでも手書きで記録する事業者もあるが、大手や準大手の事業者などではデジタル化が進み、自動的にそれらが記録できるようになっている。
話を当時に戻すと、信号待ちなどの合間にDレンジでブレーキペダルを踏んだまま乗務日報への記録を行っている内に、ペダルを踏む力が知らないうちに弱くなり前方車両に追突するといった事故が結構な頻度で発生していた。お客を乗せるときや降ろすときで、乗降途中なのにタクシーが動き出すこともあったので、業界団体やタクシー事業者では“Nレンジにしてサイドブレーキを引くように”と当時は指導していた。
筆者の経験では長らくマニュアルシフトの車両を運転していたと思われるベテランドライバーが、一般的なATにも関わらず、大昔のホンダマチック(大昔はフルではなくセミオートマチックだった)のようにローレンジにして発進し、Dレンジにチェンジして運転していたのに遭遇したこともある。
筆者は長らくトヨタ・カローラセダンを乗り継いできたのだが、カローラはMT(マニュアルミッション)の設定を続けてきたこともあり、サイドブレーキはレバー式を代々採用していたので、筆者は信号待ちのたびにNレンジにしてサイドブレーキを引いていた。
通算で11代目、アクシオで2代目の後期モデルではアイドリングストップが標準装備されていたので、Nレンジにしてサイドブレーキを引き、フットブレーキを解除するとエンジンが再始動してしまうので、そのときあたりからNレンジにしてサイドブレーキを引くのを控えるようになった。