【試乗】いま流行の派生SUV「じゃない」からカッコイイ！　ルノー・アルカナの既成概念にとらわれない見た目と走りに心酔 (2/2ページ)

全域で気持ちいいルノーが本気で開発したハイブリッドシステム

　それはともかく、クオリティの高いハイブリッドシステムが誕生した。今回、久しぶりにこのシステムを動かしたが、とてもいいフィーリングだった。

　具体的にはスタートは100％に近い確率でモーター駆動になるのだが、アクセルに対する反応は自然で滑らかにタイヤがまわり始める。EVにありがちな、いきなり「コレってピークトルク？」にはならない。そして中速域ではエンジンとモーターを組み合わせたシリーズハイブリッドになるのだが、こちらも違和感なし。エンジン主導で黒子のような立ち位置でモーターがアシストする。

　高速域でもそう。一般的にそこはハイブリッドの旨味が生かされないが、よきタイミングでモーターが起動する。この辺はアクセルのみならずギヤボックスに取り付けられる検知センサーや車速センサーを精緻に解析している結果だろう。

　乗り心地もいい。スタートからフランス車のいいところが出ていて、キャビンはおおむねフラットにキープされる。ストロークが長く懐が深い印象だ。高速道路では繋ぎ目の入力はあるが、そのエネルギーが座面を通してドライバーに強く伝わることはない。

　試乗車は18インチホイールだったが、さらに小さくすればもっと良くなるだろう。とはいえ、最近はこのカテゴリーでも19インチをデフォルトにするのも少なくない。それを鑑みると18インチは妥当といえるだろう。

　といった印象だが、このクルマはやはりスタイリングが一番のワクワクポイントだと思う。とくにゴールドのアクセントを取り入れたE-TECHエンジニアードはそうだ。スポーティかつエレガントなエクステリアデザインに高級感が追加された。ボディカラーを黒にすればそれがさらに引き立つ。

　このゴールドのアクセントはインテリアでも使われるが、そちらもいい感じだ。他人と被らないオリジナリティの高いクルマを探している方は満足するであろう。

　デザイン、エンジニアを含めこれほどいい意味でマニアックなクルマはそう多くない。