「走り屋」に付けられたネーミングセンスってどうなのよ!? 古今東西の「族」を集めてみた (2/2ページ)

昭和末期から平成以降は走りに命をかける「族」も多かった

ルーレット族

 首都高などの環状線を周回し、タイムアタックもしくは他車と競争する「走り屋」のことを指す。東京近郊では昔から首都高都心環状線(C1)を攻める走り屋は珍しくなかったが、平成に入ってスカライン、シルビアなど、走り屋が好むクルマが一気に増えてきたのと、1995年の道路運送車両法の規制緩和により、合法的なチューニングやカスタマイズの自由度が増したことで、多くの走り屋、チューニングカーが深夜早朝の高速道路に……。

環状族

 関東のC1ランナー=ルーレット族の関西版!? 主に阪神高速1号環状線をホームとする走り屋のこと。ワンダーシビックやEFシビック、EGシビックなど、ホンダのFFスポーツが人気だったのが特徴。名古屋高速都心環状線をホームとする東海地方の環状族も存在した。

ドリフト族

 ドリキン=土屋圭市さんの活躍や漫画などの影響で、真夜中の峠や港、人気のない駐車場などに出没し、ドリフト走行に精を出すタイプの走り屋。

※画像はイメージ

 D1などドリフトが競技化されていくことで、サーキットなどでもドリフト枠が設けられるようになり、合法的に練習、競技に参加する人も増えていったが、サーキットでも騒音の問題、廃タイヤなどのマナーの問題でトラブルになるケースも……。2ドア、4ドアを問わず、後輪駆動のターボ車がベース車として人気。

峠族(ローリング族)

 昔からの走り屋のイメージ。夜な夜な峠に出かけていって、ひたすら速さを追求するタイプ。ローリング族とも呼ばれていた。漫画「頭文字D」の世界観が峠族の典型!?

※画像はイメージ

 事故も多いし、麓の住民から騒音問題について通報などもあり、峠の駐車場を夜間閉鎖したり、路面に凸凹を設けて走りづらくするなど、対応を迫られた峠も少なくない。

ゼロヨン族

 エンジン、駆動系をハードにチューニングして、ストリートゼロヨンに興じた走り屋たちのこと。工業団地や埋め立て地、港湾など、道幅が広くて、夜間は交通量が少ないところに出没し、公式のドラッグレースに倣って2台並んでスタートして競争するスタイル。

 歴史はわりと古いが、1990年代がひとつのピークで、ゼロヨンに特化したチューニングショップも各地にあった。その後、取り締まりの強化などもあり、下火の傾向。

湾岸族

 東京では首都高速湾岸線や東京湾アクアライン、関西だったら大阪湾岸道路、中京地区なら伊勢湾岸道など、いずれも海沿いの長い直線のある高速道路を舞台に、600馬力を超えるようなフルチューンのターボ車で、最高速を競い合う走り屋たちのこと。

※画像はイメージ

 300km/hオーバーを記録するクルマも湾岸族には少なくなかった。最高速アタックはチューニングカーの大きなロマンだったが、ストリートでの最高速への挑戦は、全○○族のなかでももっともリスキーで、エンジンブローやクルマの全損、死亡事故なども多いカテゴリーだった。

 漫画「湾岸ミッドナイト」はそうした最高速ランナーのストーリー。

 かつては峠も、ゼロヨンも、湾岸も、ギャラリーまで出て盛り上がったが、イリーガルでリスキーな世界。警察の取り締まりも強化されているため、いずれもかなり減少しているが、クルマがある限り絶滅することもないかもしれない!?


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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