この記事をまとめると
■車検標章の位置が7月3日から変更になる
■車検を受け忘れるクルマが多いことが変更の理由とされている
■貼っていない場合も違反となるので注意が必要だ
車検標章の位置がもうすぐ変更に!
車検の期日を明示するため、フロントウインドウに貼り付けている車検標章(ステッカー)の貼り付け位置が、7月3日から変更になる。これまでは、ルームミラーの近くとなるフロントウインドウ中央の上方であったのが、運転席右側のフロントウインドウ上方へ変わる。目的は、運転者が車検期日を確認しやすくするためであるという。
ただし、すてに貼り付けてある車両の場合は、いますぐ張り替える必要はない。剥がれにくいようしっかり貼り付けてある標章であり、無理に剥がそうとすれば損傷しかねない。もちろん、再発行は可能だが、面倒な手続きをしなければならない。
そもそも、車検証とその標章については、車検証の本証を携行し、かつ指定された場所に標章を貼り付けていなければ、公道を走ることはできないと定められている。万一、これに違反した際には、50万円以下の罰金という規定もある。
したがって、販売店のサービス工場や、民間の整備工場などで車検を継続するのではなく、自分でユーザー車検を受ける人は、今回の標章の貼り付け位置の変更を理解し、適切に貼り付けることが求められる。
車検は、忘れられがちであることが、今回の標章貼り付け位置の変更につながったと考えられる。一方で、フロントウインドウは基本的に視界を妨げるステッカーを貼り付けることは禁じられている。それが、これまでの車検証の貼り付け位置の背景になっていたはずだ。新車からは3年、その後は2年ごととなる車検のために、今後はフロントウインドウの視界の隅とはいえ、視野に入る部分に標章を貼ることへの懸念もないとはいえないだろう。
ところで、日本の制度では、車検の時期に自賠責保険の継続更新手続きも行われる。このため車検切れしたまま走行しているクルマが万一事故を起こした際、自賠責保険切れによって賠償責任を負えなくなるのを防ぐ一助にもなるだろう。車検制度そのものは、年間走行距離に関係なく定期的な検査となるため、車検だけでクルマの走行安全が保持できるとはいいがたい。しかし、クルマの点検整備に関心の薄い利用者には、あらためてクルマの状態を確認するきっかけにもなる。
車検の期日を日常的に確認できる標章の貼り付け位置の変更は、クルマの整備に関して意識を集めるきっかけにもなるだろう。