アウトドアで大活躍間違いなし! 足まわりはまったく別物!
試乗してみると、まず室内の静かさに驚かされる。特別な車体のチューニングは施されていないが、気密性が高く感じられ、またエンジンの騒音、ロードノイズも低く押さえ込まれていて質感が高く感じる。タイヤのキャパシティが高まったことで走行中のNVH性能が圧倒的に高まり、室内の快適性は大幅に向上させられている。タイヤの設定空気圧が2.4kg/cm2から2.5kg/cm2に高められたことでオンロードでの走行性、タイヤのケーシング剛性が高まり、車体のロールやピッチングを抑えることに成功し、また快適性にも寄与したことになる。
砂利道に入ると、ショックアブソーバのチューニングの適切さが明らかに感じられる。伸/縮両方向の初期ダンピング特性を弱めることで路面追従性が高まっているほか、砂利道で石ころなどの硬い反力を上手くいなしていてまろやかな走り心地になっている。悪路を走っていても快適性が高く感じられるのはショックアブソーバチューニングの効果によるものなのだ。
デリカミニのパワートレインは3気筒660ccにツインスクロールターボを装着し、CVTトランスミッションとビスカスカップリングの4WD機能を備えている(一部FFモデルも設定されている)。
これも従来からあるシステムだが、デリカミニでは前後アクスルの最終減速比を変更し、前輪を常に速くまわすことで意図的に前後輪回転差を生じさせ(といっても非常に小さな比率だが)、ビスカスカップリングが常に後輪へ駆動力をわずかに伝達しているフルタイム4WDとして機能している。その効果もあり、悪路での安心感は圧倒的で、一般的な舗装路や高速道路でも優れた安定性を発揮している。横風や轍などの外乱にも強い耐性を発揮出来ているのだ。
また、パワーユニットはISG(ベルトドライブスタータージェネレーター)を装備し、最初のエンジン始動はスターターモーターで行なうが、アイドルストップからの再始動時にはジェネレーターモーターがベルト駆動でエンジンを始動させるため静かで振動もない。リチウムイオンバッテリーを搭載して必要に応じてエンジンをアシストするので燃費性能にも優れているのである。
外観のディメンションは大きく変わりないが、前後バンパー下部のフィニッシャーによりアプローチアングルは29度、デパーチャーアングル47度を実現していて、160mmの最低地上高もあり、キャンプ地へのアプローチや降雪地での走破性も実際に優れている。
前冬に積雪路を走らせたが、グリップコントロールによるトラクション制御に優れ、低ミュー路の坂道発進も、スラロームも意のままだった。
デリカミニの走りは外観から想像する以上に本格的で、これから納車を受ける多くのユーザーの期待を裏切らないだろう。