サイドビューも美しい!
サイドビューでは、まずクサビ形のボディに沿った美しいウインドウグラフィックが目に留まります。とくに、センタピラーとひし形のクオーターガラスの組み合わせの美しさは見事で、グイッとカーブしたリヤピラーの凝縮感も見所。
メタリック感を意識したアッパーボディと、PP素材にこだわったアンダーボディの対比は、裏テーマでもある「異種融合」を如実に物語っています。これは、じつに25色が用意されたすべてのボディカラーで実現。そして、アンダーボディのボリューム感は、張りのあるショルダーラインとの組み合わせにより圧倒的です。
●ピアッツァをSUVに仕立てるという発想
リヤビューでは、テンパータイヤを内蔵する豊かなパネルのボリューム感と、ドア面と同じく4本の積層ラインが高い機能性や、同時に未来的な先進感を生み出しています。
唯一の弱点は、やはりウィザードを流用したインテリア。エクステリアの先進性と比べるといささか退屈ですが、それでもマルチカラーのレカロシートやMOMOステアリング、オーガニックをテーマにしたドア内張りの美しさが特別感を支えています。
同社の欧州スタジオを中心に行われたデザイン開発は、ロータスから移籍したサイモン・コックスのキースケッチをベースに、のちに日産へ移籍する中村史郎や谷中譲らがアシスト。サイモンは、スペシャリティかつスポーティなSUVとして、何と「ピアッツァ4×4」をイメージしたというから驚きです。
ビークロスは、あまりの先進性にあたかも突然変異的なクルマとして語られますが、たとえば1991年の2代目ビッグホーンなど、RVやSUVでも優れたスタイリングを展開していたいすゞの高いデザイン力があってのこと。もちろん、最新のエルフなど、そのDNAはいまでもしっかり生かされているのです。