日本の宝「カローラ」は「アフガニスタン」で神のような扱いを受けていた!

この記事をまとめると

■アフガニスタンでは信頼性の高さからカローラが重宝されている

■トヨタのグローバルモデルは日本以上に過酷な環境で使うことも考慮している

■どこの地域でも修理などが行えるようにシンプルなメカニズムとなっていることも特徴だ

アフガニスタンでカローラは神のように崇められていた

 海外メディアのAFPによると、社会情勢が不安定な状態が長く続いているアフガニスタンでは、トヨタ「カローラ」に対する信頼度がとても高いという。

 記事によると、アフガニスタンでのクルマは、1980年代までは、ソ連(現在のロシア)の国営企業であったラーダ製が主流だったという。その後、国としてのソ連が崩壊したのち、アフガニスタンにおけるクルマの需要が大きく変化。そうしたなかで、庶民に愛されてきたのがカローラだというのだ。

 そんなカローラに対して、アフガニスタンの人たちは、基本性能に加えて、耐久性や修理に関する利便性の良さなどを高く評価しているのだということだ。

 一般論で考えれば、クルマの設計思想からクルマとしての品質、さらに販売後のサービス体制などで、1980年代までのラーダとカローラでは当然、大きな差をアフガニスタンの人々は感じたのだろう。

 アフガニスタンでのこうした話は、カローラを筆頭としたトヨタが世界に送り出したさまざまなクルマを世界各地で取材してきた筆者としては、十分に理解し得るものだ。

 少々大げさに聞こえるかもしれないが、とくに経済発展途上国ではいまでも「トヨタのクルマはそう簡単に壊れない」とか「仮に壊れても、必要十分な修理のテクニックがあれば、修理することはさほど難しくない」といった声を数多く聞いてきた。

 そのため、アメリカならば走行距離が10万マイル(16万キロ)を超えていたり、日本でも10万キロを越えたようなトヨタ車が、経済発展途上国に数多く輸出されている。

 そうしたなかで、ある国でトヨタに関する現地取材をして驚いたことがあった。

 その国では、主にアメリカから中古のトヨタ車やレクサス車を数多く輸入していたのだが、それらは事故車である場合が少なくなかった。ところがそんな事故車でも、トヨタの新車ディーラーやトヨタ関連の修理企業で修理に応じていた。日本や欧米ではこうした対応はしていない。

※画像はイメージ

 現地のトヨタ法人の社長に直接話を聞いてみると、「アフリカなどこれから先にトヨタ車やレクサス車の需要拡大が見込める国や地域に対しては、これまで行ってきたこととは違う」として、この国では実験的な事業として展開しているのだと説明してくれた。

 カローラに代表されるトヨタのグローバルモデルは製品企画で議論され、そして車両設計から研究開発に至る際、さまざまな国や地域で、日本では想定していないような過酷な条件で使われることを想定する必要がある。

 さらに、中古車となって複数の国や地域を巡ることなっても、安定した修理が行えるような基本設計と、先に紹介したような修理サービス体制を敷くなど、多様な対応策が求められる。

 今回紹介した、アフガニスタンでのカローラの話は、そうしたトヨタの世界事業を象徴するものだと思う。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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トヨタ・ハイエースキャンパーアルトピア―ノ等
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動物たちとのふれあい
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