この記事をまとめると
■アメリカでは車検制度がない州や日本よりも内容が緩い州が存在する
■90年代末から2000年代頭にかけて日系メーカーのクルマをチューニングするのが流行した
■映画になるほどの社会現象になったが、治安維持のために取り締まりが厳しくなった
アメリカでは不正改造車という概念が存在しない?
「アメリカには車検がない」
そんな表現を聞いたことがあるかもしれない。正確にいえば、アメリカには「日本のような車検の制度」がない。改めて、車検とは自動車検査登録制度のこと。
なぜ車検が必要なのかについては、国土交通省が次のように説明している。
自動車を検査し登録することにより、自動車の安全確保・公害防止が図られるとともに、個々の自動車の識別が可能となり、所有及び使用の実態が制度的に把握される。検査・登録を受けることによって、自動車は初めて社会的に認知された乗り物になる。
これはあくまでも日本での自動車に対する国の考え方だ。
一方、アメリカの場合、自動車の安全確保や公害防止に関わる検査について、州それぞれで対応方法が違うのが実情だ。排気ガス計測のみを義務化している州もあれば、それに加えて自動車の保安基準についての検査を義務付けている州もある。
だが、日本の車検と比較すると、検査項目も少なく、また検査の合格ラインも緩い印象がある。実際、筆者は所有車を複数の州の検査に出したことがあるが、事前の予約もとくに必要なく、空いていれば検査は1時間もかからず、費用も100ドル(1万4200円:1ドル142円換算)以下の場合が多い。
※画像はイメージ
こうしたアメリカの状況から、「チューニングカーやドレスアップカーに対する法的な縛りも緩いのでは?」と思う人が日本にいるかもしれない。
ラスベガスで開催されている世界最大級の自動車アフターマーケット見本市のSEMAショーでも、かなり派手なチューニングカーやドレスアップカーが出展されており、そうした画像や映像を見れば、「アメリカはチューニングカー・ドレスアップカー天国なのでは?」というイメージを持つ人もいるだろう。