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「ただの雨」「ただの風」感覚じゃ危険! 日本全国を襲う「異常気象」によるクルマへの被害と対策をじっくりと考えた (3/3ページ)

「ただの雨」「ただの風」感覚じゃ危険! 日本全国を襲う「異常気象」によるクルマへの被害と対策をじっくりと考えた

この記事をまとめると

■気候変動による影響が全国各地で現れている

■自然災害によるクルマへのダメージは大きい

■そこで今回は愛車を守る方法について解説

ダメージは全損事故と同等!? テレビで見ない日はない「水没車」

 被害に遭ってみないと、なかなか実感が湧かない自然災害。しかし、ここ数年の気候変動がもたらす影響はタダ事ではない。豪雨による水没、ボディを凹ませる雹、車体を転覆させる竜巻……。いつ、誰が、どこで被災してもおかしくない異常気象。明日は我が身か? 果たして愛車を守る手立てはあるのか?

雷の直撃を受けると電気系統は一瞬でパァ!?

 いまさら言うまでもなく、ここ数年、異常気象が猛威を振るっている。とりわけ、初夏から秋にかけて頻発するゲリラ豪雨や、線状降水帯による長引く大雨、あるいは猛烈な台風がもたらす風水害は、人命や家屋はもちろん、クルマに及ぼすダメージも甚大だ。テレビやネットのニュースなどで、冠水した道路や、河川の氾濫にハマって水没したクルマの映像を見ない日はない。

 発達した積乱雲に伴う雹や竜巻、落雷もしかり。大雨と比べて頻度が少なく、局地的に発生するため報道されることは少ないが、降雹がクルマの全周にわたってボディを激しく凹ませることは珍しくなく、風速50メートルを優に超えると言われる竜巻に至ってはクルマを転覆させることなどいともたやすい。

 クルマが受けるダメージは「こすった」「ぶつけた」といった事故よりはるかに大きく、被害額も格段に大きくなる。

 また、「クルマには雷が落ちない」という話を聞くことがあるが、これはウソ。本当は、雷=電流はタイヤを介して路面に抜けるため、車内にいる人間はとりあえず安全ということ。雷の直撃を受けたクルマの窓が割れたり、車体の一部が焼け焦げたりするのは事実で、最悪、コンピュータを含む電気系統が一瞬でパァになることもあるという。

家は動かせなくてもクルマは高台に退避可能

 では、我々が異常気象に対して、つねに危機感を持っているかといえば疑問だ。

 たとえば、高架下などに見られる“アンダーパス”で水没するクルマ。とくに水が溜まりやすく、水深が深くなる危険箇所で、警告看板が設置されていることも多い。にもかかわらず、「イチかバチか」で突っ込むクルマがあとをたたない。雪が降っているのに、「なんとかなるだろう」と夏タイヤのまま出かけて、立ち往生する非降雪地のドライバーと同じだ。

 アンダーパス同様、集中豪雨や大雨(洪水)を伴う台風では低地ほど浸水・冠水のリスクが高まるが、無頓着な人が多い。こうした低地の立体駐車場(下段)や、道路よりも低い位置に設けられている地下駐車などは、水没の危険と隣り合わせであることを普段から認識しておくべきだ。

 突発的なゲリラ豪雨はまだしも、数日前から大雨が予想される台風なら被害を最小限に抑えることは可能。わざわざ危険な目に遭う必要はない。まず、不要不急の外出は避けること。また、居住地が低地なら、あらかじめ高台にクルマを退避させておく慎重さもほしい。家を移動させることはできないが、クルマは動かすことができるのだから。

「自分が住んでいる場所の危険度がわからない」という人は、自治体(市役所、町村役場、区役所)が配布している“ハザードマップ”を参考にしたい。地図上に、崖崩れなどの土砂災害のほか、低地など浸水・冠水のリスクが高い区域が色によって詳細に記されている。河川や湖、沼、海などに近い低地ほど、より危険度が増すと考えて間違いないだろう。

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