バカ売れ確定の新型アルファード&ヴェルファイアが登場! ここまで人気なのに他メーカーから「ガチライバル」が出ないワケ (2/2ページ)

エルグランドもそろそろフルモデルチェンジして欲しいところ

 ところが開発者によると「新型セレナe-POWERルキシオンを買っているのは、従来型のセレナや生産を終えたトヨタエスティマなどのユーザーで、エルグランドからの乗り替えは少ない」という。

 つまりアルファード&ヴェルファイアやエルグランドのような最上級ミニバンは、ユーザーにとってプライドを持てる特別な存在なのだ。トヨタならかつてのセルシオ、日産ならシーマのような存在が、今のアルファード&ヴェルファイアやエルグランドになる。従ってセレナに500万円近い最上級グレードを設定しても、エルグランドのユーザーは乗り替えてくれない。

 アルファード&ヴェルファイアのライバル車が登場しない1番の理由は、開発しても順調に売るだけの自信が持てないためだが、「セレナに豪華な最上級グレードを設定して、乗り替えてもらおう」という甘い目論見も影響を与えていた。

 ちなみに現行デリカD:5は、発売が2007年だからエルグランド以上に古いが、2023年1〜5月には1カ月平均で約1600台を登録している。三菱の国内店舗数は、トヨタの約12%、日産の約25%と少ないから、400〜450万円のデリカD:5が1カ月に1600台も売られると十分な実績だ。

 エルグランドと違ってデリカD:5が好調なのは、2019年に大幅な改良を行うなど、大切に育てているからだ。デリカD:5の性格は、アルファード&ヴェルファイアとは異なるが、順調に販売される高価格ミニバンとしては共通点も見られる。それは、ほかの車種にない魅力を備え、綿密な改良も行っていることだ。エルグランドも、改良を加えながら、大切に存続させるべきブランドだと思う。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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