豪華なオラ系「アルファード」にアスリートなワル系「ヴェルファイア」! 新型2台は「単なる顔の差」じゃなく中身に大きな違いがあった (2/2ページ)

アルファードとヴェルファイアで明確にキャラクターを分けた

 フロントグリル奥に置かれたパワートレインは、上級グレードは2.5リッターエンジンのシリーズパラレルハイブリッドで、FWDとリヤモーター駆動の電動4WDが用意されるのは両モデルに共通しているもの。ただし、ガソリンエンジン車についてはまったく異なるものとなっている。アルファードは最高出力134kWの2.5リッターエンジンとなっているのに対して、ヴェルファイアは最高出力205kWを誇る2.4リッターターボを与えられている。エンジンに合わせてアルファードはCVT、ヴェルファイアは8速ATとトランスミッションも異なる。

 こうしたパワートレインにおけるキャラクター設定の違いはシャシーにも影響しており、ヴェルファイアにはボディ補強パーツが追加されているほか、よりスポーティな味付けのサスペンションになっている。

 ガソリンエンジン車のエントリーグレード(FWD)の価格を見ると、アルファードの540万円に対して、ヴェルファイアは655万円と高くなっている。姉妹車にしては、ずいぶん価格が異なると感じるかもしれないが、ターボエンジン、サスペンション、ボディ補強、19インチタイヤといった走りに影響する違いを並べていけば、この価格差も納得だろう。

 ヴェルファイアについては従来モデルでディスコンとなり、フルモデルチェンジ後はアルファード一本に絞るという噂もあり、またトヨタ内でもそうした方向で商品企画は進んでいたという。しかし、社内外からの熱烈なヴェルファイア推しの声を受け、ヴェルファイアはより個性を強めたモデルとして生まれ変わったといえる。

 ショーファードリブンとしても使われるアルファード、ヤング層のニーズを満たすヴェルファイアといったふたつの個性が誕生したのだ。

 なお、アルファード/ヴェルファイアは海外でも販売される。中国においては、南部でアルファード、北部でヴェルファイアが展開されるという(中国仕様はハイブリッドのラインアップ予定)。

 また、国内向けにおいても将来的にはプラグインハイブリッド仕様が追加されるという。電動化時代にもキング・オブ・ミニバンのポジションは譲らないという強い意思と自信にみなぎるのが新型アルファード/ヴェルファイアだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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