この記事をまとめると
■ランボルギーニの歴代V12モデル「400GT」と「ミウラ」、「アヴェンタドール」に試乗
■「400GT」と「ミウラ」は今乗ってもその魅力は一向に色褪せていない
■最新の「アヴェンタドール」はさすがの快適性と速さ、そして安全性が段違いに進化している
新型「レヴエルト」のワークショップ翌日にまさかのご褒美
それは先日この日本でもプレミアイベントが開催された、ランボルギーニの新世代12気筒モデル、レヴエルトの事前ワークショップが、同社の本社があるイタリアのサンタアガタ・ボロネーゼで行われたときのこと。
無事にそのプログラムは終了し、翌日のスケジュールを見ると、そこにはクラシックモデルの試乗というタイトルがあった。用意されていたのは新旧3台のV型12気筒モデルと、2台のV型10気筒モデル。いずれもランボルギーニのクラシック部門であるポロ・ストリコの手によって、フルレストアが施された新車同然のコンディションを持つモデルであるという。
翌日、最初にステアリングを握ったのは3台の12気筒モデルだった。モデルは1966年の「400GT2+2」、1975年の「P400ミウラSV」、そして2021年の「アヴェンタドール・ウルティマエRDS」。
まずは1963年にランボルギーニを創立したフェルッチオ・ランボルギーニが理想とした、高性能で美しいGT(グラン・ツーリスモ)のセカンド・モデルとなった400GT2+2のコックピットに身を委ねる。
第一印象では、ファーストモデルの350GTを簡単に手直ししただけのようにも見える400GT2+2のボディだが、実際にはルーフラインを延長させるなどの改良によって、後席にも2名分の独立した座り心地の良いシートを与えているのが特長だ。インテリアには豪華なレザー素材が多用され、これは当時豪華なGTを求めるカスタマーに大きな話題となったことは容易に想像できる。
フロントに搭載されるエンジンは、車名からも想像できるように4リッターのV型12気筒DOHCで、最高出力は320馬力。組み合わせられるミッションは、このモデルではポルシェ・シンクロを備えた5速MTに代わるが、V型12気筒エンジンは低速域からトルクフルで、必要以上のシフト操作を必要とはしない。
市街地ならば2速、郊外のカントリーロードならば3速あたりを選択、あるいはそのシフトを繰り返せば、常に魅力的なフレキシビリティに守られた、快適で、そしてもちろんスポーティな走りを楽しむことができるのだ。
シャシーの仕上げもじつに魅力的だ。4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションは、車速が上がれば上がるほどにフラットな乗り心地を演出し、またカロッツェリア・ツーリングのスーパーレッジェーラ構造で製作されたボディは、その軽量感のみならず剛性感にも絶対的な安心感を抱かせてくれる。
これが1960年代に誕生したモデルなのか。そのツーリングの解散によって、わずか250台で生産を終えた400GT2+2。その走りにはあらためて感動させられた。