20年の進化はどのぐらい!? 20年前のV10ランボルギーニ「ガヤルド」と最新の「ウラカン」を乗り比べてみた (2/2ページ)

最新のウラカン・テクニカはさすがの乗り味

 ゆったりとしたペースのクルージングは、このガヤルドが見せるもうひとつの魅力。前後のサスペンションは常にフラットな乗り心地を演出し、アクセルの踏み方ひとつで追い越し加速や、そこからの減速は自由自在だ。高速域でのスタビリティも高い。

 それは前後して12気筒モデルのムルシエラゴもデザインした、ルーク・ドンカーヴォルケのエンジニアリング能力による部分も大きく、可変式リヤスポイラーのほかに、とくに目立つエアロパーツを持たないのにもかかわらず、ここまでの空力性能を実現し、また同時に過去のランボルギーニ車のイメージを採り入れてくる才能には改めて感動させられた。

 このガヤルドのファーストモデルとの比較のために、ランボルギーニが用意してくれたウラカン・テクニカは、V型10気筒エンジンが5.2リッターとなり640馬力&565Nmというスペック。駆動方式がRWDとなるところも走りを極めたいユーザーにはうれしいところだろう。

 スタイリングの担当はミティア・ボルケルト。ベースとなるウラカンのスタイルの中に、シアンやエッセンツァSCVからのイメージを採り入れているのもデザインの見どころだ。

 キャビンはスイッチ類の操作性がガヤルドの時代よりかなり改善されているが、個人的にはむしろガヤルドのようなシンプルさの方を好む。

 それはともあれ、ウラカン・テクニカでのワインディングは、本当に楽しい時間だった。RWDらしい素直なコーナリングはもちろんだが、さらに印象的なのはアルミニウム製のフレームやサスペンションの剛性が、やはりガヤルドの時代から比較すると大いに高まっていた。

 今回試乗した両車の間に流れていた約20年という時間は、スーパースポーツの進化にとってはあまりにも長いものであることを改めて知ることができた試乗だった。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
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