唯一トヨタ車以外で登録車TOP10に入るセレナは納期が短い
トヨタ系以外の新車ディーラーで話を聞くと、「私どもでしたら、トヨタさんのように人気車の多くが深刻な納期遅延になる前に新規受注停止を繰り返しながら、納期遅延期間をできるだけ抑え込もうとしますけど……」と、不思議そうな顔をされることが多い。そのトヨタも最近では、公にはしないものの新規受注停止を細かく繰り返しながら、納期の調整を行っているケースもあると聞いている。
登録車のみで、7位に日産セレナがトヨタ車以外で唯一ベスト10圏内に入っている。e-POWER車が発売となった影響とみられる。日産はe-POWERの正式発売に先立ち、e-POWER車の累計受注台数が2万台を突破したとリリースしている。
しかし、販売現場で聞くと本稿執筆時点で発注しても9月あたりの納車も可能になっているとのこと。ノア&ヴォクシーだけでなく、ホンダ・ステップワゴンも工場集荷時期目処では1年以上かかるようなので、短い納期が販売台数にどのような影響を与えるかが今後注目点となっていくだろう。
トヨタ・アルファードが1495台と、前年同期比28.8%まで落ち込んでいる。ようやく現行モデル(3代目/本稿執筆時点)のバックオーダーも完全消化に向かっている証拠でもあり、次期型(4代目/本稿執筆時点)デビューの環境整備がいよいよ整ったことを表しているともいえよう。
軽自動車ではトップのN-BOXに2位のダイハツ・タントが約2700台差と肉迫している。N-BOXは1~2カ月程度で納車できる仕様があるとしながらも、本稿執筆時点での工場出荷時期の目途は4カ月程度となっている。
一方タントは2カ月以上となっており、生産余力からいくとタントが状況としては有利なように見える。しかし、ダイハツは認証に関しての不正行為が発覚しており、これが新車販売に今後悪影響を及ぼす可能性が高い。軽自動車なので、小売りで落ち込んだ分は、自社届け出(ディーラーなどの名義でナンバープレートだけつける)で販売台数の上積みをはかり、それがその後届け出済み未使用軽中古車として出回ることも十分考えられるので、現状でもダイハツ各車の届け出済み未使用軽中古車が市場に溢れているのに、さらに「ダイハツ軽自動車だらけ」ということにもなりかねない状況となっている。ダイハツでは軽自動車だけでなく登録車も同じような流れになるかもしれない。