この記事をまとめると
■ホンダはクルマや二輪車、耕運機やボート用エンジンのほかに航空機も手がけている
■「HondaJet(ホンダジェット)」は世界で1番売れている小型ジェット機だ
■2028年に新型のHondaJetを販売すると発表があった
ホンダジェットの新型が2028年に登場予定
ホンダといえば、じつに多くの乗り物や工業製品を扱うメーカーとしてお馴染みだ。もっとも身近なバイクやクルマを筆頭に、耕運機や発電機、ボートなどのエンジンも手がけ、最近は交換式のバッテリー分野にも進出しているほか、AIを使った先進技術や水素事業、先日大きな話題となったF1への復帰など、その活動の幅はかなり広い。
そんなホンダだが、じつは陸と海だけでなく空の世界へも進出している。それが「HondaJet(ホンダジェット)」と呼ばれるビジネスジェットだ。
航空事業会社である「ホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company 以下:HACI)」が研究開発、製造販売しているもので、2015年から運用されており、2022年の段階で世界中で200機以上納品されている。ちなみに、小型ジェット機カテゴリーにおける出荷数で2017年から5年連続で世界一を達成しているほど人気が高く、ホンダは航空機の分野でも確かな存在感を放っているのだ。
もっと言うと、ホンダは1986年から航空機の研究開発を行なっていたという歴史もある。ちょっと前に出た見よう見まねの製品ではないことがこのことからもおわかりいただけるのではないだろうか。
今回お届けするニュースはそんなHondaJetに関する話題だ。
ホンダはこの度、2021年に世界最大のビジネス航空機ショー、「ナショナル ビジネス アビエーション アソシエーション(NBAA)」にて発表したコンセプト機、「HondaJet 2600 Concept」をベースにした新型小型ビジネスジェット機を、2028年に製品化する方向と正式に発表した。
HACIとして現在生産・販売しているベリーライトジェット機のHondaJet Elite IIに続く製品となるとのことで、1クラス上のライトジェット機カテゴリーへの参入となるそうだ。
特徴としては、ホンダ独自の技術である主翼上面エンジン配置、自然層流翼型・ノーズ、コンポジット胴体をさらに進化させ、最大11名の乗員・乗客が搭乗できる仕様となる。また、通常のライトジェット機より20%、中型ジェット機に対しては40%以上燃費を向上させる想定となっており、ライトジェット機として世界で初めてノンストップでのアメリカ大陸横断を可能としている。世界中を飛びまわるビジネスマンや芸能関係の人たちにとって、時間をより有効に使えることは大きな武器となるだろう。
当機はパイロット1名での運用を想定しているほか、長距離飛行にも適した広いキャビン空間と優れた静粛性も実現しているとのことで、キャビンの環境もより一層進化していることが予想される。
我々庶民はなかなか乗る機会はないであろう乗り物ではあるが、日本が誇るホンダがこのような新型機を手がけることを誇りに思いたい。そんなニュースであった。