カーボンボディをデカールで再現した超力作
そんなシンガー 911 DLSのモデルカーをいち早くリリースしたのがコチラ。コレクター向けモデルカーメーカー、日本の「メイクアップ」の新作だが、御覧の通り、車体全体がカーボンパターンで覆われている。じつはこの表現が難しいのだ。
このカーボンパターンは、曲面と凹凸の集合体である911のボディに水貼り式のデカールを隙間なく、そしてシワひとつなく貼り込んだもの。多少でもプラモデルをかじったことがある人ならば、そのボディをデカール覆うことがいかに難しいかは容易に見て取れるはずだ。
さらに言えば、デカール設計する、立体物を平面に置き換えることの大変さも想像できよう。デカールのシートを見るに、それを貼ったことが俄かには信じられないはずだ。
デカールを貼るのにかかる時間は1台につき4~5時間。さらに、その上からウレタン塗料でクリアコーティングして表面を平滑に整えるなど、そのすべてが手作業の積み重ねと聞けば、5万600円というプライスの理由もお分かりいただるはずだ。
その他、ステンレス製のエッチングパーツに胴巻き(ステンレスが通電しないため銅のコーティングを施すこと)したり、焼き付け塗装した窓枠、ホワイトメタル製部品にクロームメッキをかけたヘッドライトベゼルや、ドアハンドル、アルミ削り出しのリムを使用したホイール他、“適材適所”で種々のマテリアルを用いての再現となる。
せっかくシンガー 911 DLSのモデルカーを買うなら、良いものを買いたい。実車は夢のまた夢ではあるが、せめてモデルカーだけでも大枚を叩いてやろうではないか。