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ミニバンなら座る場所は選び放題だけど……3列あるシートのなかで「車酔い」しにくい席はどこ? (2/2ページ)

ミニバンなら座る場所は選び放題だけど……3列あるシートのなかで「車酔い」しにくい席はどこ?

この記事をまとめると

■3列シートのミニバンはどの席がもっとも酔いにくいのかを検証

■もっとも酔いやすいのは3列目シートだ

■2列目シートは装備的には快適だが乗り心地がいいとは限らない

車酔いのおもな原因は「揺れ」

 コロナ禍で緊急事態宣言が発令された時に、もっとも「売れなくなった」商品が鎮うん剤、つまり酔い止め薬だったというデータがあります。ステイホームで出かけることを控えていた影響だと思われますが、裏を返せば普段はそれだけ乗り物酔いに苦しんでいる人が多いということを実感させられました。

 車酔いは3歳頃から始まり、小学生から中学生頃がもっとも多く、その後だんだんと少なくなっていくと言われていますが、70歳以上でも男性で約10%、女性で約15%程度、車酔いをする人がいるそうです。そんな、車酔いに悩む人たちが苦手なクルマというのが、じつはミニバンやSUVなのだとか。たしかに、ミニバンやSUVは重心が高いためフラつきや振動が起こりやすい傾向があり、酔いそうなイメージが強いのかもしれないですね。

 そこで今回は、3列シートのミニバンに乗るならば、どの席に座ればいちばん酔いにくいのかを検証したいと思います。それを解き明かすにはまず、なぜ車酔いが起こるのかを知らなければなりません。車酔いとは、医学的には「動揺病」「加速度病」と呼ばれていて、乗り物の不規則な加速・減速による揺れが繰り返し起こることで、内耳にある三半規管や前庭を刺激し、自律神経や平衡感覚を乱してしまうことが主な原因とされています。やはり「揺れ」は車酔いの大きな原因となりそうですね。

 では「揺れ」が起こる原因を考えてみましょう。タイヤが荒れた路面やマンホール、継ぎ目や段差などを越えた時は、どうしても揺れが起こりますが、それよりも影響が大きいのは「運転の仕方」ではないでしょうか。急発進、急ハンドル、急ブレーキで起こる揺れは、普段は車酔いをしない人でも気持ち悪くなる場合があります。

 また、カーブでの沈み込みなどボディ剛性やサスペンション、重心の高さなどが影響している揺れもあると思います。シートのホールド性が悪かったり、滑りやすい素材(乗員が着ている洋服を含む)による揺れもありそうです。

 こうした原因を頭に入れながら、ミニバンの骨格や構造を見てみると、多くの車種でいちばん車酔いに対する条件が悪いと思われるのは、3列目シートです。シートがちょうど後輪の真上あたりに配置されている車種が多く、段差などで起こる突き上げをモロに受けてしまいます。燃料タンクなどを搭載するために、座面がほかの席よりも一段高くなっている車種もあり、ただでさえ高い重心がさらに高くなっていることも懸念材料。シートアレンジを重視して、座面などシートの作りそのものも簡易的になっていることが多く、ホールド性は期待できません。車酔いしやすい人は、3列目シートは避けたほうが無難でしょう。

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