ムダを減らせばパワーに変わる!? 最近よく聞く「電動ターボ」って何? (2/2ページ)

ターボチャージャーが認知されたのは1905年

 ターボチャージャーの概念がはっきりとしたかたちで認知されたのは、1905年、スイス人エンジニアのアルフレッド・J・ビュッヒが特許の申請を行ったタイミングと解釈してよいだろう。装着機関は定置用のディーゼルエンジンだったが、吸入気を加圧する考え方は、すぐに航空機エンジニアの目に止まることになった。フランス人エンジニアのオーギュスト・ラトーが航空機用エンジンへの応用を考え、アメリカGE(ゼネラル・エレクトリック)社のサンフォード・モスがラトーの考え方を発展させた。

 モスは、パッカード社のリバティ型V12にターボを装着。第1次世界大戦が終了する1918年には試験飛行を繰り返す状況だった。これが第2次世界大戦直前の1936年頃になる、アメリカの軍用機で広く採用されるようになり、同大戦中ヨーロッパ戦線の空を飛んだすべての航空機に装着される進化の歩みを見せていた。

※写真はイメージ

 一方、航空機以外のターボチャージャーは、第2次世界大戦頃になると多くのディーゼル機関に装着され、鉄道、船舶用として活用されていた。自動車への応用は、第2次世界大戦後の1949年になってからのことで、ディーゼルトラックへの応用が始まっていた。この動きは1965年頃にはほとんどのトラックメーカーに定着し、ドイツのエーベルシュペッヒアー社、アメリカのエアリサーチ社などが有名なターボメーカーだった。

 ガソリン機関への適用は、市販車よりモーターレーシングが先だった。1963年、オーバルトラック(スロットルの開度変化が少ない)を使うインディカーで初採用となり、1968年のインディ500でイーグル・オッフィーが初優勝を記録。ただし、インディは1965年からメタノール燃料に変更されていたため、正確な意味でいうガソリン機関と言ってはいけないのかもしれない。

※1965年のロータス38がインディ500に参戦した写真


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