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自ら「ミステリアス」って名乗っちゃった衝撃の1台! MT+ガソリンターボだけで勝負した「いすゞミュー」の尖りっぷりがスゴイ

自ら「ミステリアス」って名乗っちゃった衝撃の1台! MT+ガソリンターボだけで勝負した「いすゞミュー」の尖りっぷりがスゴイ

この記事をまとめると

いすゞはかつて乗用車を手がけており現在でも海外で販売している

■同社には「ミュー」というビッグホーンなどのメカニズムを流用したSUVが存在していた

■登場当初はかなり硬派なモデルであったほか、ホンダにもOEM供給を行なっていた

いすゞの個性が強過ぎたSUV「mu」を振り返る

 現在は国内での乗用車販売からは完全撤退して久しいいすゞだが、過去には個性的な乗用車を多く送り出してきたのはご存じのとおり。

 なかでもSUVにおいては実用的なものから個性的なものまで幅広くラインアップしており、その経験が現在もタイなどで販売されているSUVに活かされていると言えるだろう。

 今回はそんないすゞがリリースしたSUVのなかでも、とくに尖った特徴を持ったミューにフォーカスを当ててみたい。

 1989年5月に販売をスタートさせたミューは、ミステリアス・ユーティリティの頭文字を車名としたもので、遊び心のカタマリのようなモデルとなっていた。

 メカニズムの面においては、ビッグホーンやファスター/ロデオなどと共通で、ラダーフレームとフロントがダブルウイッシュボーンと縦置きトーションバースプリング、リヤがリジッドアクスルと半楕円リーフスプリングの組み合わせというのも不変。

 ただ、エンジンは直列4気筒2.6リッターのガソリンエンジンのみで、組み合わされるトランスミッションも5速MTというかなり硬派なモデルとなっていたのだ。

 エクステリアもまた個性的で、フロントマスクはファスター/ロデオと共通の意匠ながら、前後フェンダーはブリスター風に広げられたワイドなものとなっており、2ドアであることも相まって、かなりマッチョな印象となっていた。

 ボディタイプは後部に折りたたみ可能な幌を備えた「ソフトトップ」と、FRP製のトノカバーを備えた「ハードカバー」が用意され、前者は2/4人乗りの1ナンバー登録、後者は2人乗りの3ナンバー登録と登録区分も異なっていた。

 1990年8月には鉄製のリヤキャビンを備え、折りたたみ式シートを備えて4人乗りとしたワゴンの「メタルトップ」が追加されたほか、2.8リッターのディーゼルターボ仕様を追加。さらに1991年9月には4速ATを設定するなど、徐々にその尖りぶりに陰りが見え始めてきた。

 極めつけは1995年12月に追加された「ミュー・ウィザード」であり、このモデルは5ドアボディにATのみの設定となっており、完全に市場の声に迎合したモデルとなっていたのだった。

 ちなみに初代ミューは1993年10月から、当時SUVのラインアップを持たなかったホンダへジャズという車名でOEM供給がなされていたが、実際に販売、登録されたのはおよそ3年間で1500台ほどだったと言われている。

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