この記事をまとめると
■少し前まで日本ではコンパクトセダンが多く販売されていた
■コンパクトハッチバックをベースにセダン化したモデルが多く見た目に不自然さがある
■今では需要がほぼないので絶滅してしまったカテゴリーになっている
苦肉の策で生まれたコンパクトセダンたち
いまではすっかり絶滅してしまったコンパクトセダンたち。ただ、少し前までは各メーカーともそんな声に応えるためになんとかコンパクトセダンをラインアップしようと努力していた。
その結果として生まれたのが、コンパクトハッチバックをベースとしたセダンたちであったのだが、多くはハッチバックボディに無理矢理トランクを付けたような微妙なスタイルとなってしまい、どうしてもセダンでないとダメというユーザー以外の心の琴線に触れることはなかった。今回はそんな不遇のコンパクトセダンを振り返ってみたい。
トヨタ・プラッツ
トヨタのカローラよりも小さなコンパクトセダンとして長らくその座を守ってきたターセル/コルサだったが、1999年についに消滅となり、その後を受けて登場したのがプラッツというモデルだった。
※画像は後期モデル
このプラッツ、フロントマスクこそ若干変更されてはいるが、見ての通り初代ヴィッツがベースとなっており、なんと左右のドアはヴィッツとまったく同じもの。
そのため、リヤに行くにつれて上がっていくキャラクターラインも同一となり、なんともリヤ上がりの不思議なバランスのコンパクトセダンとなってしまったのだった。
ホンダ・フィットアリア
小型セダンのラインナップが消滅してしまったベルノ店とクリオ店に向けて、その穴を埋めるべく2002年に投入されたのがフィットアリアで、車名からもわかるようにフィットをベースとしたコンパクトセダンとなっていた。
このモデル、もともとは東南アジアや中国に向けて開発されたもので、日本で販売された車両もタイで製造されたものを輸入して販売する形がとられていた。
セダンらしいフォルムを実現するために、フロントマスクを改め、全高もやや低められるなどしたことでスタイルにそこまで破綻はなかったが、コンパクトセダン需要の縮小の影響もあって販売台数は伸び悩むこととなった。
スズキ SX4セダン
フィアットとの共同開発で誕生したハッチバックモデルのSX4をベースにセダン化したものが、その名もズバリ、SX4セダンだ。
2007年に開催されたジュネーブショーでそのスタイルが初公開となり、そのときは大径ホイールとローダウンによって比較的スタイリッシュなデザインという印象だったが、実際に発売されたモデルは当然ながら現実的な車高とホイールサイズでぼってり感の否めないものとなっていた。
ラインアップもハッチバックに用意された2リッターや4WDは用意されず、ビジネスユースやキザシとともに警視庁などに納入された警察車両というイメージに終始してしまっていたのが本当のところだ。