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やっぱり最後は人間ありき! クルマの「運転支援装備」に限界を感じるケース4つ (2/2ページ)

やっぱり最後は人間ありき! クルマの「運転支援装備」に限界を感じるケース4つ

この記事をまとめると

■いまやクルマの安全装備は必要不可欠だ

■しかしシチュエーションによっては安全装備が仇となってしまうことも

■4つの具体例を挙げて解説する

安全装備が仇となるシチュエーションも

 一度体験すると、もう「ついていないクルマ」には戻れなくなるほど、毎日の運転を安心感で満たしてくれる先進の安全装備たち。今や高級車だけでなく、軽自動車にもどんどん搭載されていますね。でもそれらの賢い安全装備も、最初から高性能だったわけではなく、なかには想定外のところで作動してしまったり、誤作動があったりしたところを、テストやユーザーからの意見をもとに1つ1つ改善してきたからこそ、現在の性能を手に入れているという背景があります。

 その進化はメーカーによって違ったり、同じメーカー内でも車種によってばらつきがあったりするので、今でも「こんなところで!?」と思うような効き方をしてしまうことも。今回はそんな、ちょっとありがた迷惑とも言える事象をピックアップしてみました。

 1つ目は、2021年11月以降に国内で販売する新型車に搭載が義務付けられている、衝突被害軽減ブレーキ。一般的には自動ブレーキと呼ばれることも多いですが、30km/h程度までの低速度域で走行中に、フロントガラスなどに搭載されているカメラやレーダー、レーザーを使って前走車や歩行者、自転車などを認識し、衝突の危険を検知するとブザーなどで警告音を発し、ドライバーがブレーキを踏まなければ自動でブレーキを作動させて、衝突を回避、または被害を軽減するという安全装備です。

 低速時の機能なので、通学路や住宅地などのゾーン30になっている道や、商店街などの混み合った狭い道、先の信号が赤だからエンジンブレーキで減速してノロノロと停止線まで進んでいるような場合などで、歩行者や自転車が車道にはみ出してきた、急に前の車両が停止した、といった時にブレーキ操作をサポートしてくれるので安心。なのですが、車種によってはコストの関係などでカメラの性能があまり高くないものを搭載していると、不要なもの、よくわからないものを検知してピーピーと警告音が頻繁に鳴ったり、目の前のメーター表示に「ブレーキ!」なんて文字で警告が出たりして、その警告にヒヤリとしてしまうこともよくあります。

 いちばん困るのは、警備員が立っている駐車場に入ろうとした時や、片側車線を工事している横を通ろうとした時などに、警備員や作業員を検知して警告音が鳴ってしまうという場面。何か悪いことをしたのかとギクリとしてしまいますし、それでブレーキを踏んだりすると、後ろを走っている車両もなにごとかと驚いてしまいます。

 ただ現在、自動車部品のメガサプライヤーであるヴァレオでは、こうした工事現場に立っている警備員や交通整理の人員を制服などで認識し、手の動きなどを検知して誤作動をしないようにする研究開発を進めているとのこと。世界各国のデータを集め、日本においても実用化を目指しているそうなので、近い将来にはこうした誤作動はなくなるかもしれないですね。

 2つ目は、車道の白線からはみ出さないように、カメラで白線を認識してハンドル操作を支援するという安全装備。これも軽自動車をはじめ多くの車種に搭載されるようになりました。以前は、自動車専用道路のみで作動するものが多かったのですが、今では一般道でも作動可能な車種が増えています。

 でもそのために、ちょっとありがた迷惑なことも起こっており、たとえば一般道でも路肩に駐車車両があり、それを避けるために少し右にふくらんで走ることってありますよね。そんな時に、中央線をはみ出した途端に警告音が鳴り、勝手にハンドルを左に戻そうとされてしまうのです。

 これが意外に強いチカラで戻そうとされる車種もあり、気を抜いていると駐車車両にぶつかりそうになることも。通常は、ハンドル支援がついていてもドライバーの操作が優先となっているので、すぐにハンドルに力を入れてキープすれば、「ドライバーはこうしたいんだな」とクルマが認識してくれてハンドル支援はストップしますが、これが何度も起こるとちょっとストレス。そのため、ハンドル支援機能はオフにしてしまうというドライバーもまだまだ多いようです。

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