注目度の高さから新型車の発表の場としても活用される
コンクールは、クラシックカーの世界に深い見識を持つジュリー(選考委員)によって、まずはクラスごとに厳しく行われる。ここでジュリーが選ぶのは各クラスのウィナーと次点にあたる名誉賞。
ちなみに今回はクラスAから順に、1933年式のクライスラー・カスタム・インペリアルCL、1938年式デラヘイ145クーペ・シャプロン、1935年式デューセンバーグSJ、1963年式901プロトタイプ、1967年式フェラーリ330GTCスペチアーレ、1956年式マセラティA6G/54、1962年式フェラーリ250GTO、1961年式フェラーリ250GTスパイダー・カリフォルニアが、各クラスのウィナーとして選考された。
そしてこのなかからさらに選ばれる今年のベスト・オブ・ショー、すなわちコンコルソ・デレガンツァの頂点を極めたのは、クラスHを制した1961年式のフェラーリ250GTスパイダー・カリフォルニアだった。ほかにもこのイベントでは、BMWグループ・クラシック賞やベスト・エンジン・サウンド賞を始め、さまざまな賞が用意されており、参考までにこちらは前者が1949年式のロールス・ロイス・シルバー・レイス、後者は1970年式のポルシェ917Kがそれを受賞した。
ここ最近、ヴィラ・デステに世界からのカーマニアの視線を集中させる理由のひとつとなっている、コンセプトカー&プロトタイプ・クラスにも、今年はさまざまなニュースがあった。
BMWからはZ4ベースのシューティングブレークともいえる「コンセプト・ツーリング・クーペ」を。
また、初参加となるヒョンデは1974年に発表したポニー・クーペの現代版ともいえる680馬力仕様のEVコンセプト、「N Vision 74」を展示。日本のカロッツェリア、KEN OKUYAMA DESIGNの「kode61 Birdcage」も、やはりここヴィラ・デステでワールドプレミアされた。
クラシックカーのコンクール・イベントのみならず、ニューモデル発表の場としても最近では注目される存在の、伝統と権威のあるコンクールイベント。そのなかでもまさにヨーロッパを代表するといってもよいヴィラ・デステは、カーマニアならば一度は訪れてみたい場といえる。