デイトナとは別次元のエレガントさがヤバイ! フェラーリ365GTB/4のプロトタイプがオークションに登場した (2/2ページ)

雰囲気がまったく異なるプロトタイプのデイトナ

 今回、サザビーズからシールド・オークション(ほかの入札者には他人の入札価格が知らされない方式)で出品されたのは、そのデイトナのプロトタイプの1台だ。フェラーリにはまずこのS/N:10287を、ファースト・プロトタイプとして製作した記録が残っており、それはクラッシック部門のクラシケによっても証明されている。

 つまり、この出品車はデイトナのプロトタイプとして最初の作ということでも価値があるのだ。ボディデザインとその製作は、当時レオナルド・フィオラバンティをチーフ・スタイリストとしていたピニンファリーナのチームによるものだ。

 ボディデザインは、すでに量産型のそれと大きく変わらないが、リヤの1本もののバンパーや、トランクリッドがリヤパネルの上から開くデザインとされていること、そしてヘッドライトも、まだプレクシグラスの4灯式ではないことなどが、量産型との大きな違いとして認められる。

 1960年代末から1970年代にかけて、モータースポーツシーンでも大活躍を見せた、フェラーリ365GTB/4コンペティションは、こちらもオークションシーンでは非常に高い人気を持つモデル。

 フェラーリはこのデイトナを最後に、ようやく365GTB4BBでミッドシップスポーツの世界に参入を果たすが、シリーズ生産されるモデルでは、それも512BB、512BBi、テスタロッサ、512TR、F512Mを進化させたのみで、再び12気筒モデルをFRへと回帰させてしまう。

 はたして未来の12気筒モデルの姿はどう進化していくのだろうか。これまでの歴史とともにフェラーリの将来を考えさせられるオークションだった。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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