この記事をまとめると
■レース終了後のサーキットのコース脇にはタイヤカスやパーツの破片がよく落ちている
■レース終了後などにこれらのパーツなどを拾って帰るファンも多い
■拾う場所やモノによっては「窃盗」になる可能性もある
コースサイドに落ちてるパーツやタイヤカスは持ち帰ってOK?
サーキットに行くと、一般の人にはゴミにしか見えなくても、モータースポーツ好きには価値があるものがコース脇などに転がっていることがある。
たとえばタイヤのカスであったり、エアロパーツの破片だったり、チームのロゴの入った軍手だったり……。そういうものが落ちていたら、記念に持ち帰ってもいいのだろうか?
これがなかなか難しい問題で、法律的には、資源物として売却できるごみの持ち去りは、窃盗罪に抵触する可能性がある。
たとえば自治体が集めている資源ゴミは、リサイクル業者に売却するため、委託業者以外の者が集積所から資源を持ち去るのは御法度(家電など)。これがたびたび各地で問題になっているのはご存じのとおり。
一方で、近年サーキットでもゴミの分別化が進んでおり、タイヤやバッテリー、カウルやエアロパーツ、そのほかの粗大ゴミは、利用者(チーム)が持ち帰ることがルールになっている。そういった意味で、コース脇に転がっているタイヤカスや、エアロパーツの破片程度なら、記念に持ち帰っても大きな問題にはまずならないだろう(ただし破片は鋭利な場合があるので怪我には注意したい)。
たとえば、F1日本GPの決勝後、鈴鹿サーキットでは西コースが開放されてコースウォークが行なわれたり、スーパーGTの決勝後も、パルクフェルメウォークなどが実施されていて、そうした際に、コース上に落ちているタイヤカスを拾って帰るのはよく見かける光景だ。
反対にサーキット内のゴミ捨て場に、金属ゴミの置き場があり、そこに金属パーツが捨てられていたとすると、資源ゴミ=売却できる資源扱いになっている可能性もあるので要注意。
また、それ以上に問題なのは、そうしたパーツ片、廃パーツ欲しさに、許可を得ずコース内に入ったり、ピットやパドックに入ること。
安全上、大きな問題につながるので、立ち入り禁止エリアに進入するのは厳禁だ。
走行中、アクシデントがあった場合、コーナーポストの裏手に行けば、マーシャルが回収したパーツ片などが転がっているかもしれないが、それらも黙って持ち去らず、コーススタッフに一声かけて聞いてみることがマナー。
パドックでも、レース後、チームスタッフに一声かければ、不要になった部品をもらえる可能性もゼロではないが、迅速な片付け、撤収もレーシングチームの鉄則なので、くれぐれも仕事の邪魔をしないこと。
とくにマシンを壊してしまったチームは、ご機嫌がスラッシュになっている可能性が高いので、接し方にはとくに気を使い、常識の範囲内で迷惑のかからないようにしよう。