一充電で約600km走れてV2Hにも対応する高い利便性
EQS SUVは、パワートレインとして前後アクスルに電気モーターを搭載。モーター間で駆動トルクの連続可変配分を行う4輪駆動システムの採用により、常に効率的で最適な駆動力が4輪に配分される。
最高出力・最大トルクは、EQS 580 スポーツが544馬力・858Nm、EQS 450が360馬力・800Nm。航続距離は欧州仕様の参考値(WLTCモード一充電走行距離)で、EQS 580 スポーツが589km、EQS 450が593kmと、十分な実用性を誇る。
さらに、EQS SUVにはEVならではの機能として3段階(D+・D・D−)の回生ブレーキが備わる。ステアリングホイールのパドルシフターでモード選択することで、アクセルペダルを戻した際やブレーキペダルを踏んだ際の充電量と減速度を調整することができる。
そして、日本仕様の特別な機能として、双方向充電(V2H/V2L)が可能になったのもトピック。自宅で発電した電力の貯蔵装置になるだけでなく、自宅へ電力を送電する予備電源としても利用可能で、自然災害の多い日本ではこの機能は心強い。
また、サスペンションには連続可変ダンピングシステムのADS+とエアサスペンションを組み合わせた「エアマチック」を標準装備。乗員や荷物の重さにかかわらず地上高を一定に保つセルフレベリング機構を備えるだけでなく、高速域では車高を下げるなど必要に応じて車高を変化させる。これにより操縦安定性を高め、快適で安全なドライブをサポートしてくれる。
そのほか、最大10度まで後輪が操舵するリア・アクスルステアリングにより、最小回転半径が5.1mというコンパクトカー並みの旋回性能を実現。日本の狭い道路でも巨大なボディを持て余すことは少なそうだ。
EQS SUVには、コンフォート、スポーツ、エコ、インディビジュアルの4つに加えてオフロードも加わった5つのドライブモードが用意されている。オフロードモードではアクセル特性を一定にするほか、60km/h以下では最大25mmの車高の上昇も可能とした。また、安全装備のひとつでもあるESPのオン・オフのモードを用意。ESPオンの場合は悪路での車輪の空転をほぼ抑え、ESPオフの場合は車輪の空転をある程度許容しながら安全な悪路走行をサポートする。
そのほか、前車との車間距離を維持しながら追尾するアクティブディスタンスアシスト・ディストロニックや、障害物などを検知して自動でブレーキを作動させるアクティブブレーキアシストなどの先進的な安全装備もひと通り装備する。
EQS SUVの価格はEQS 580 スポーツが1999万円、EQS 450が1542万円。
EQSは、メルセデス・ベンツの最上級モデルであるSクラスと同等のラグジュアリーな世界観をEVで表現したクルマとなるが、それと同様にEQS SUVも、メルセデス・ベンツが持ち得る最新の技術と究極のラグジュアリーを体現したSUVとして、唯一無二の存在になっている。