この記事をまとめると
■メルセデスEQから「EQS SUV」が発表された
■EV専用のプラットフォームによる初めてのSUVモデル
■7人がゆったり快適に乗れる質感高い車内空間を演出
メルセデスEQの高級さと最先端を表現したSUVがついに登場
メルセデス・ベンツのEVを手がけるブランドである「メルセデスEQ」は、これまでセダンのEQSとEQE、SUVのEQA、EQB、EQCの5車種をラインアップしており、EVの先進性を全面に押し出した新たなメルセデス・ベンツ像を表現したことで注目を集めている。
そんなメルセデスEQの新たなモデルとして「EQS SUV」が日本でも発表された。SUVの最高峰としてラインアップされることとなり、フラッグシップSUVにふさわしいさまざまな工夫が施されている。
エクステリアはEV専用プラットフォームのもとに生まれたキャブフォワードなデザインで、内燃エンジン搭載車とはまったく異なるスタイリングとなっている。Aピラー上端からリヤへと緩やかに傾斜するルーフラインやベルトラインに配置されたドアミラーなどが空力性能に寄与した、洗練されたデザインとなった。そして、20〜21インチの大径ホイールと、それが装着される前後ホイールアーチをブラックアウトしたことでSUVの逞しさを感じさせる。
フロントフェイスはEQシリーズ共通のブラックパネルグリルに立体的なスリーポインテッドスターをあしらったもので、その存在感は圧倒的。
そしてリヤは、立体的に映る工夫が施されたLEDコンビネーションランプと、フロント同様に設けられたライトバンドで、メルセデスEQシリーズの1台であることをひと目で認識させる。
大型のSUVなので空気抵抗が気になるところだが、意図的に乱流を生み出すタービュレーターや気流の流れを最適化したボディ下部アンダーパネルなどにより、欧州仕様でCd値0.26という優れた空力性能を実現。その結果として、広い車内スペースと優れたエアロダイナミクスを両立する。
さらに、最高峰のSUVとして高い静粛性と快適性を追求。ボディ構造部の空洞部分に防音発泡材を充填し、電動パワートレインを発泡材で覆うなど、徹底したNVH(騒音・振動・ハーシュネス)対策がなされた。
スタイリッシュなのはインテリアも同様で、EQSにも採用される「MBUXハイパースクリーン」が上位グレードのEQS 580 4マチック SUV スポーツ(以下EQS 580 スポーツ)に標準装備される。運転席の12.3インチコクピットディスプレイとセンターコンソールの17.7インチ有機ELメディアディスプレイ、助手席側の12.3インチ有機ELメディアディスプレイを1枚のデジタルパネルのように見せることで、先進性を強調している。
一方、ベースグレードとなるEQS 450 4マチック SUV(以下EQS 450)は、デジタルメーターパネルと縦型ディスプレイが標準装備となり、ウッドパネルを採用したインテリアとのコンビネーションで、シックでモダンな雰囲気を演出する。これは、オプションで「MBUXハイパースクリーン」に変更することも可能だ。
SUVでは気になる人も多いであろう2列目シートは、左右ドアに配置されたスイッチで前後130mmのスライドと、前14度・後ろ4度のリクライニングが可能で、乗員に応じてそれぞれ最適なポジションを取ることができる。
さらに、EQS SUVは、床下に3列目シートも装備しており、普段は収納されている仕組みだ。
荷室は、3列目シートを展開した状態で195リットルだが、3列目シートを畳めば最大800Lまで拡大し、さらに2列目シートを折り畳めば最大2100リットルのフラットで広大な空間を生み出す。5人乗車状態でもゴルフバッグを軽々と4つ飲み込むというから頼もしい。