世界に存在をアピールし始めた「N」の真意は?
N Vision 74というネーミングは、それがヒョンデから1974年に発表したコンセプトカー、「ポニー・クーペ・コンセプト」からデザインのインスピレーションを得たモデルであることを意味している。
当時きわめて先進的なフォルムに見えたボディの、いわゆる進化型ともいえる姿は端正であるばかりか優秀なエアロダイナミクスを想像させ、1974年のポニー・クーペ・コンセプトのイメージも巧みに採り入れられているのがわかる。
ヘッドライトはアイオニック5と同様に最新のパラメトリック・ピクセルライト。伝統と先進が共存する、そしてその第一印象から高いパフォーマンスを想像させるもの。ちなみにデザイナーのルーク・ドンカーヴォルケは、ランボルギーニでムルシエラゴやガヤルドなどの作品を残した人物である。
パワートレインは、リヤアクスルに2基搭載されるエレクトリックモーター。注目の最高出力は680馬力に達し、62kWhのリチウムイオンバッテリーのほかに、85kWの水素燃料電池スタックが搭載されている。最大の走行可能距離は約600km。実用性は十分に満足できるレベルに達していると評価してよいだろう。加速性能は0-100km/hで4秒以下というのがオフィシャルのデータだ。
韓国初のスーパースポーツカー誕生も夢ではなくなり始めてきた気配を感じる、ヒョンデのN部門の動き。今年のコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステは、あるいはそれを世界に向けて宣言する場であったのかもしれない。