価格はなんと2億5000万〜3億円オーバー!
まず、両車ともユーザーの要望に応じたパーソナライズも可能となっている仕様で、当時の機械製図と最新のCAD技術を駆使して設計されているのが特徴だ。製造は英国コベントリーにあるジャガー・クラシックで手作業で行われ、1台あたりなんと3000時間以上かかる綿密な工程を経て完成するという代物。なお、250マイルのフィジカルテストと全車1000マイルの高速耐久テストも実施されるので、レーシングスピードで走ることができるというのもトピックだ。ただのレプリカではないことが、このことからもよくわかる。
3000時間以上にも及ぶ作業のなかでも、特筆すべきはエンジンのセットアップ。伝説の直列6気筒XKエンジンのチューニングとバランスを完璧にするために、エンジンだけで9カ月の時間を要するというのだから、もはや美術品の領域と言っても過言ではないだろう。
「C-TYPE CONTINUATION」は、1953年のル・マン24時間耐久レースで優勝した車両と同じ仕様となっているほか、当時は革新的といわれたダンロップディスクブレーキのセットアップも施される。「D-TYPE CONTINUATION」は、1955年仕様のショートノーズと1956年仕様のロングノーズの2種類から選択可能となっている。また、どちらのモデルもオリジナルを忠実に再現しながら、いま乗っても不都合がないよう各所が改良されているのもポイントだ。
主な改良ポイントは、耐久性向上のためにボディパネルを厚くし、FIA公認の4点式シートベルトの装備。また、自動消火システム、スロッシング(振動)を軽減する最新の燃料バッグなども装備される。
なお、「C-TYPE CONTINUATION」と「D-TYPE CONTINUATION」の日本初上陸を記念して、2023年6月5日(月)~14日(水)に静岡県の富士モータースポーツミュージアムで展示される。また、6月18日(日)には、クラシックカーオーナー向けのミーティングイベント「Ralph’s Coffee & Cars supported by Octane」にも展示、一般公開することも決まっている。
もはやアートのような両車の価格だが、「C-TYPE CONTINUATION」が150万ポンド、日本円で約2億6000万円。「D-TYPE CONTINUATION」が175万ポンド、日本円でこちらは約3億150万円というとてつもない価格となる(現在のレートによる算出)。
しかし、歴史的名車がそのままの仕様で新車として手に入るともなれば、この価格も決して法外ではないのではないだろうか。
こういった復刻芸を、ほかのメーカーでも見てみたい。この両モデルの復刻が、各社の名車復活の起爆剤になることを願いたい。