ディーラーは受注数を定めた新車販売で納期遅延を耐え凌ぐ
「たとえばプリウスのHEV(ハイブリッド車)で2リッターのZの納車予定は2025年春以降となっているようです。販売現場ではマージンを読んで「3年ぐらいは待つつもりでいて欲しい」とお客に伝えているので、新車納車時に次に乗る新車をプリウスと考えている人には、とりあえず納めた新車の初回車検までにプリウスが納車できるように、納車の段階で新たなプリウスの注文をいれてもらうといったようなやりとりも現実にあるとも聞いています」とは事情通。
ある現場のセールスマンは、「とにかく納期ばかりを気にして販売する毎日となっております。普通に新車をどうやって売っていたのか、その感覚も含めて忘れかけています」と話してくれた。
トヨタ以外では、ホンダが少々納期の乱れが目立つものの、そのほかではかなり平時に戻りつつあるようだが、最近では納期遅延ではなく新規受注停止になる車両がめだってきている。「日替わりどころか、時間によって受注できるかできないかが同じ車種で変わることもあります」(セールスマン)。
トヨタでは受注台数のカウントダウンというものが表示されることがあるそうだ。つまり、あと何台受注できますよと案内された車種はその枠が埋まると一時的に新規受注停止になるそうだ。カウントダウン表示された車両を商談する時は、あらかじめ当該車両を仮押さえしてから商談に入ることになるとのこと(押さえたとしても納車までは時間がかかることは当たり前)。
まだまだ販売現場が完全に平時に戻るには時間がかかるようである。