日本のBEV化はタクシーもバスも海外メーカー頼みになる
中国メーカーのバスは中国から完成車輸入されることがほとんど。インドネシアの首都ジャカルタでは、BYD製BEV路線バスが走っているが、インドネシアでは2024年からとしているが、BYDからはシャシーの提供だけを受け、インドネシア国内にてBYDと合弁パートナーとなるインドネシアのボディ架装メーカーにおいてボディの架装を行う予定とのこと。
まあ、自国内で公共輸送を担うのだから、国産や自国企業などの管理下にある車両が良いにこしたことはないので、「地産地消」のような動きが見えるのかもしれない。
それでは日本国内はというと、日本のバスメーカーからBEVバスが発売されるといった話はなかなか聞くことはできない。そもそも乗用車以上に「日の丸(フル国産ということ)BEV路線バス」の登場はすでに無理だろうというのが大半の意見となっている。仮に登場したとしても、車両価格が中国製に比べればかなり高くなるともいわれている。単に中国製が「安かろう悪かろう」だから安いというわけではない。単純に日系バスメーカーのほうが高コスト体質ともいわれており、中国メーカー並みのコストで同性能のバスがラインアップできないだけと考えたほうが良さそうだ。
日本で販売している中国メーカー各社も車両もさることながら、日本国内でどのようにバスが運行されているのかをしっかり把握していることには関心させられる。充電施設など運行をバックアップすることについても、導入を検討している事業者の相談にのるなど事業者に寄り添うその姿勢は、日本メーカー以上のようにも見えてしまう。
世界に冠たる自動車産業を持つ日本だが、その日本を走る路線バス、そしておそらくタクシーも、外資ブランドがBEV化をけん引していきそうな状況はなんとも寂しいとしか言いようがない(タクシーでも一部で日本メーカーのBEV導入の動きがあるが、韓国や中国メーカーのBEVなら、LPガスハイブリッドタイプのトヨタJPNタクシーよりやや高い価格でいまも導入することができるので、本格導入では日本メーカー車はなかなか難しい)。