いまなお注目される車中泊! DIYでより快適にカスタム……はいいけど「違法」にならないよう注意が必要 (2/2ページ)

運転に関係ないからと言って何をやってもOKではない

 気軽な車中泊仕様といっても、気を付けるべきポイントはいくつかある。

 大前提として保安基準を守ることが求められる。後席は使わないので外してしまって、別でベッドを常設する……というのは基本的にNG。書類を提出して乗車定員を変更すれば保安基準を満たした改造といえるが、DIYレベルで作りこむ車中泊仕様でそこまで手間をかけるというのは現実的ではない。

※画像はイメージ

 荷室部分を車中泊仕様にするとしても、後席は畳んだ状態で、ベッドなどは載せるだけにして、いつでも現状復帰できるようにしておきたい。なお、勝手にシートを増設して乗車定員を増やしてしまうのも当然ながらNGだ。

 軽バンなど、商用車をベースに車中泊仕様を作るときに気をつけるべきは、最大積載量を超えないようにすることだ。軽商用車の最大積載量は多くのクルマで350kgとなっているが、スズキ・スペーシアベースは200kgだったりする。ベッドキットを載せたくらいで最大積載量を超えることはないだろうが、軽トラの荷台に小屋を建てたようなキャンピングカーを自作する場合、小屋部分は荷物という体なので、350kg以上の小屋を作ってしまうと過積載になる。意外かもしれないが、最大積載量は留意すべきポイントとなる。

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 雰囲気のある車中泊仕様にしようとすると、荷室部分に造作したくなるものだが、この場合は多くのケースで加工しやすい木材を使うことになるだろう。あくまで積載物となる造作であれば保安基準に抵触しないケースが多いだろうが、壁面などに固定するモノやルーフ部分を木材で作る場合は、難燃性についての基準を満たす必要がある。よって、安易にDIYで作ってしまうと車検に通らないということもありえる。

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 安全を考えると、必要以上に視界を遮るようなカスタマイズも避けたいところ。1BOXバンのリヤ&サイドウインドウにパネルを貼って見えなくしてしまうのは保安基準的には問題ない改造ではあるが、日々の運転での視界確保を考えるとオススメはしかねる。もしパネルを貼るならば、カメラを利用した電子ルームミラーやバックモニターを後付けするなどして視界を確保するようにしておくといいだろう。

 まとめると、「1・乗車定員」と「2・最大積載量」の2点については厳守が基本となる。木材による造作は「3・難燃性」が求められるので車体に取り付けるような部品をDIYで作るときは素材や厚みについて吟味するようにしたい。そして「4・視界」をスポイルするようなカスタマイズもオススメはできない。視界を遮ってしまうような場合は対策がマストと考えたい。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
好きな有名人
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