この記事をまとめると
■ホイールのナットには締める順番がある
■順番どおりに締めないとゆがみが出る可能性がある
■この記事では締める順番と締め方について解説
4穴は対角線上で5穴は星形を描くように締める
タイヤ・ホイールを車体に取り付けるときの要諦に、ホイールナットを締める順番がある。4穴なら対角線上に、5穴なら星形を描くときのようにしてなるべく離れたナットを順に締めていく。
しかも一度にひとつのナットをぎゅっと締め付けるのではなく、対角線を数周に分けて徐々に締め付けてゆくのがポイント。最初は軽く締め付けて、最後に増し締めを行うのがコツ。
これはホイールナットだけでなく、複数のボルトやナット、ネジ類を締めるときの基本。
なぜこの締める順番が大事かというと、この順番を守らないと、締付け力の偏りが生じ、ナットがきちんと締まらなかったり、きちんと締めたつもりでもすぐにナットがゆるんできたり、歪んで精度が悪くなるため。
ナットやボルト、ネジで取り付ける部品は、締め付けることで部品がわずかに変形し平らな面が出なくなる。
あまりおすすめできないが、ホイールを車体に取り付けるとき、一番上部にくるナットだけを最初にぎゅっと締めてしまうと、反対の下側部分がハブから浮き上がるようになってしまうはず。その状態で無理矢理他のナット締めると、ホイールの取り付け面は反るような形になり、ハブボルトやナットにも大きな負荷がかかることになってしまう。これがゆるみの原因にもなるし、何より力が均一にかからないというのが大問題。
すべての部品にいえることだが、部品はナット(ボルト)を締めたら歪むのが原則。その歪みを最小にして、締め付ける力を均等にするには、ナットを対角上に締めるのが肝要だ。
丁寧に説明すると、まずタイヤをハブボルトに合わせてはめて、ホイールナットをひとつずつ工具を使わず指先だけで軽く締めていく。
そして十字レンチを使って、対角線上に3~4回に分けて徐々に締め付けていき(この時点では仮固定)、それからようやく本締めを。こうすることではじめてホイールのセンターが出る。
ホイールはオーバートルクで締めるのもナット座を潰したり、変形させる要因になるので、本締めといえど決して力一杯締めたりせず、ジャッキを降ろし、タイヤが地面に設置したあと、トルクレンチを使って規定トルクで締めることが大事。
これらはホイールナットだけでなく、すべての機械いじりの基本になるので、この機会にナット、ボルトの締める順番をきちんと身につけておくようにしよう。