SUVならではの機能性の高さがさらなる人気を呼んだ
このサイクロンに続いて1992年と1993年に生産されたタイフーンも、GMCとPASのコラボレーションによって誕生したモデルだ。
サイクロンと大きく異なるのは、ボディスタイルがピックアップではなくSUVであること。とはいえサイクロンもタイフーンも、その流れをたどればピックアップトラックのGMCソノマにたどり着くわけだから、メカニズム的に大きな違いがあるわけではない。
フロントのエンジンも、サイクロンのそれと共通。280馬力の最高出力と、488Nmとわずかにその数値が上がった、4.3リッター仕様のV型6気筒ターボエンジンを搭載した。
駆動方式は、こちらもフルタイム4WDと変化はないが、ブレーキシステムはさらに改良され、リヤデファレンシャルにはLSDも装備。サスペンションはサイクロンのそれと比較してさらにスポーティな方向にセッティングが見直され、ビルシュタイン製のダンパーも標準装備された。また、リヤサスペンションにはセルフレベリング機構も導入されている。
SUVらしく、より機能的に、そしてスポーティに仕上げられたというのがその第一印象だった。
サイクロンと比較して、車重が140kgほど重かったタイフーンは、加速性能では0-96km/hで5.3秒と、サイクロンほどに衝撃的なデータを記録することはできなかったが、しかしながらその機能性の高さからくる人気は高く、いずれのモデルイヤーでも、さまざまなカラーバリエーションが設定されるなど、積極的な販売戦略が展開された。
その生産台数は4697台。こちらもアメリカ車のファンには、見逃せないコレクターズアイテムだ。