ものすご〜く地味なのにじつは超絶技巧! 普通の人には伝わらない「超ハイレベル」なドライバーだけができる運転5つ (2/2ページ)

人としても尊敬できる運転とは!?

 3つ目は、バイパスや高速道路などの合流地点で、しっかりと合流車線の先頭まで行きつつ、最小限の舵角でスッと合流できる人。これは、後続の合流車両のことも考え、入れてくれる本線の車両にも最小限のロスしか与えず、とても上手な運転です。これが下手な人や自分勝手な人だと、合流車線の手前でも「あっ、ここで入れそう」と思ったらさっさと合流してしまい、後続車にブレーキを踏ませることになったり、本線の車両は1台入れてあげたのにその先でまた他の車両を入れてあげなければいけなくなるなど、合流地点に乱れを生じさせています。ファスナー方式で、先頭から順番に合流するのがいちばん効率がいいということをわかった上で、本線の車両への影響も小さく済ませるというのが激ウマ運転です。

 4つ目は、狭い道などすれ違いが難しい道で運悪く対向車がきてしまった時に、相手に困るスキを与えないほど瞬時にサッとバックで下がり、空いているスペースを見つけて対向車を先に通してあげる運転。これはもう、運転の技術だけでなく、瞬間的な空間認識能力と記憶力が備わっていなければできないことでしょう。また人間の意識として、せっかく進んできた道を戻るというのは生理的にすごく残念に感じてしまうものだと思いますが、それを率先してやってのけるということは、人としても尊敬できる、まさに惚れる運転です。

 5つ目は、誰にでも普通にできるようで、実際に自分がやってみるとものすごく難しいことが多い、「駐車券を窓から乗り出さずに取る」という運転。これもわかる人にはわかる、激ウマ運転です。駐車場の入口というのは道路から左折や右折をして入ることが多いため、道路から近い場所に発券機があると、どうしてもハンドルを切った状態で近寄らなければならないものです。地下に降りていく螺旋状のエントランスを持つ駐車場でも、なかなか長い直線の先にある券売機というのはないですよね。なので、カーブの形状によってはバンパーやフェンダーをぶつけたくないばかりに、あまり寄せていけないことが多いと思います。でも上手な人というのは、どんなカーブの先にある発券機でも、しっかりと近くに寄せて、手を伸ばしただけでチケットを受け取ります。自分でトライしたことがある人ほど、これを見て「上手いな」と感動するはずです。

 ということで、一見するとそれほど上手なのかどうかわかりにくいですが、じつは感動モノの運転をご紹介しました。見る人は見ていますので、こうした地味なところも丁寧に運転したいものですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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