この記事をまとめると
■日本では4輪車保有台数の0.2%程度しかBEVは普及していない
■EVの比率が増えていくとそれに起因したトラブルが起こる可能性がある
■筆者が妄想する「風が吹けば桶屋が儲かる」的に起こりそうな事象を挙げた
BEVの割合が数十パーセントになると起こる謎のトラブル!?
多少古いデータで恐縮だが一般社団法人 日本自動車工業会によれば、2021年12月末時点の本邦における四輪車保有台数は7845万3000台とのこと。そのうちBEVは一般社団法人 次世代自動車振興センターによれば16万1363台で、PHVは17万4231台であったらしい。
BEVとPHVの比率はそれぞれ約0.2%程度であり、両者を合わせても約0.4%でしかない。この程度であれば、「EVの数が増えたことに起因するトラブル」などはおおむね起こりようがないだろう。だがこれがもしも10%、20%、そして50%と上がっていったら……以下のような揉め事が各地で発生する可能性が高い。列挙してみる。
妄想①:ストレスを抱える人が出てくる
BEVを運転したことがある人ならよくおわかりかと思うが、高速道路をBEVで走行している際に燃料計……じゃなかったバッテリー残量計の目盛りが「残り3割ぐらい」を下回るというのは、なかなか心臓と胃に悪いものである。
普通に計算すれば「次のSA・PAまでならぜんぜん大丈夫!」ということはわかっても、「いや世の中は何があるかわからない。次のSA・PAの充電スタンドがぶっ壊れてて使えないかもしれないし、今なぜかいきなり電欠になる可能性も、決して0%ではないだろうし……」などと考えていると胃は痛み、心臓はバクバクいってくる。
今後、72秒ぐらいで充電完了となる革命的バッテリーが一般化し、なおかつSA・PAの充電スタンドが大増設されたなら、特に問題はない。だがもしも現状に近いインフラのままBEV/PHVの比率が格段に上がってしまったら――電欠恐怖症状による胃潰瘍と心臓発作の症例が爆発的に増加し、今でさえ厳しい「医療保険制度」は本当の危機を迎えるだろう。
妄想②:原発を巡ってケンカが勃発!?
どこかで読んだエラい人の記事によれば、日本におけるBEV/PHVの保有台数が15%ぐらいになったとしても「電力不足によるいきなりの大停電」は起こらない計算らしい。しかしそれはそれとして、もしもEVの保有比率が現在の100倍以上となる世の中になったら、必ずや「原発を再稼働させないと!」との声は強まるはず。
そうなったときに難しいのは「仲の良い夫婦や家族、友人同士だったしても、原子力発電に対するスタンスは異なる場合が多い」ということだ。
音楽や食べ物、お笑いに関しては見事に趣味が合う人間同士で、なおかつIQが同じぐらいであったとしても、こと原発の是非に関しては意見が100%真逆である場合もめずらしくない。
今現在は、そのスタンスの違いについてはうやみやにしたり、もしくは「そもそもそれについては話し合わない」ということで、我々の家族生活や社会生活はなんとかギリギリ平和に維持されている。
しかしEVの保有比率が10%を超えるようになった頃には、どうしたって「じゃあ原発はどうするのよ?」という話にならざるを得ない。そして、その結果としておおむね深刻なケンカ(価値観の深刻な相違)が発生する。そうなると離婚調停や訴訟を申し立てる夫婦が激増するため、おそらくは弁護士が儲かることになるだろう。