筋トレに持久力を鍛えるだけじゃ足りない! 尋常じゃないGと闘う「スーパーフォーミュラドライバー」が行う「トレーニング」の中身 (2/2ページ)

体力のみならず、反射神経や目のトレーニングも必須!

 ちなみに、B-Max Racing Teamの松下信治選手によれば「FIA-F2はパワステがなかったので、それと比べたらスーパーフォーミュラのほうが体力的にはラクです」とのこと。とはいえ、「スーパーフォーミュラはダウンフォースが強いですからね。首のトレーニングが重要になってくるのでシーズン中も定期的に行っています。あとは反射神経や目のトレーニングなんかも、ほかの競技のアスリートは違ってくると思います」とのことで、やはり、多くのドライバーが国内最高峰フォーミュラに対応するために、レースに特化したフィジカルトレーニングを行っているようだ。

 一方、「フィジカルトレーニングといっても自分の場合はあまりウエイトトレーニングを行っていません。自重を使って体幹を鍛えるメニューが中心ですね」と語るのは、docomo business ROOKIEの大嶋和也選手。

 さらにP.MU/CERUMO・INGINGの坪井翔選手も「シーズンオフはウエイトトレーニングを行うこともありますが、シーズン中はほとんどウエイトトレーニングを行っていません。心拍数を高めたいので、トレーニングもランニングなどが中心になりますが、シーズン中はいろんなカテゴリーに参戦していて、毎週末レースに参戦することも珍しくないですからね。レース自体が自然にトレーニングになっているので、シーズン中は次のレースに備えて、できるだけ疲れをとるために、身体を休めたりするように調整しています」とのことだ。

 このように、同じカテゴリーでも、ドライバーによってトレーニングのスタイルは千差万別。とはいえ、ほぼすべてのドライバーの首が太くなっていることからもわかるとおり、スーパーフォーミュラでSF23のステアリングを握るドライバーは、強烈なGフォースと戦っているのである。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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