この記事をまとめると
■「NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース」にNissan Z Racing Conceptが参戦する
■Nissan Z Racing ConceptはNissan Z GT4をベースに改良を加えた開発車両だ
■日産はカーボンニュートラルな幅広いモータースポーツの実現を目指している
S耐シリーズ第2戦富士24時間レースに今年もZが見参
日産が誇るスポーツカーの「Nissan Z」は昔から、モータースポーツとは切っても切れない縁がある。現行型のフェアレディZもそれは同様であり、すでにGT4カテゴリー用のベースマシンとして「Nissan Z GT4」が発表されており、2024年シーズンから各レーシングチームに提供されることになっている。
そして、そんなNissan Z GT4をサーキットで拝める機会が再びやってくることになった。Nissan Z GT4をベースに空力や冷却パーツを中心に改良を加えた「Nissan Z Racing Concept」で、2023年5月26〜28日に開催されるENEOSスーパー耐久シリーズ2023第2戦「NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース」に参戦することが、日産と日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)から発表されたのだ。
これは、日産とNMCが、Nissan Zで新たなモータースポーツカテゴリーへとチャレンジする活動の一環であり、昨年も「富士24時間レース」に初参戦して完走を果たしている。日産とNMCは今年も引き続き、開発車両の出場が認められる「ST-Q」クラスに参戦することで、レース車両やアフターパーツの開発に必要なさまざまなデータを収集し、さらに燃料にCNF(カーボンニュートラルフューエル)を使用することで、CNFの知見をさらに深めることを目指すことになった。
NMCの片桐隆夫社長は、今回の参戦に際して「モータースポーツ活動の可能性の幅を広げるため、サステナブルな視点を取り入れた新たなチャレンジを行っています。今回は24時間レースという大変厳しい条件であるからこそ、多くの有益な実戦データが得られるものと期待しています。そして、得られた知見を今後の開発に活かし、お客さまにより楽しんでいただけるクルマつくりにつなげていきます」とコメントした。
2050年度までに製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現することを目指す日産は、モータースポーツにおいても、カーボンニュートラルな幅広いモータースポーツの実現を悲願としている。CNFを燃料として使用するNissan Z Racing Conceptによる今回の「NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース」参戦は、日産の悲願成就のための礎となることだろう。
とはいえ、いちモータースポーツファンとしては、2023年もサーキットを走るNissan Zの姿が拝めることを素直に喜びたい。