ゴルフのオープンモデルも!
初代ゴルフ カブリオ(1979〜1993年)
FFレイアウトのコンパクト2ボックス車を世界的に広めたのが1974年にデビューした初代ゴルフ。長年、初代ビートルが用いたRRレイアウトから一転、フロントにエンジンを横置きで搭載することでコンパクトなボディにもかかわらず、広い室内空間を実現するなど高い実用性を誇ったことで世界的に人気もモデルとなりました。
そんな実用性重視の小型車ゴルフにカブリオが追加されたのが1979年。初代ビートルカブリオレなどを手掛けたカルマン社により生産されたカブリオは、ビートルカブリオレとは異なりロールバーを備えていたのが外観の特徴です。
ロールバーが配置されたことで不格好だと表する声は少なくありませんでしたが、当時厳しくなりつつあった安全基準を満たすためには必須の装備でした。
初代ゴルフカブリオは2代目ゴルフにオープンモデルが設定されなかったこともあり、後継モデルとなる3代目ゴルフカブリオが登場するまで生産を継続。ただし、電動ルーフやヒーター付きシートなどオープンモデルに欲しい装備が充実し、1988年には2代目ゴルフっぽい4灯式ヘッドランプを備えるなど改良されていきました。
3代目ゴルフ カブリオ(1993〜1998年)/4代目ゴルフ カブリオ(1998〜2002年)
2代目ゴルフに用意されなかったカブリオが3代目ゴルフには用意されています。
1993年に発表された3代目ゴルフのカブリオは初代同様、カルマン社が生産を担当。ロールバーも引き続き採用されていますが、トップが電動化されたことは大きなトピックスといえるでしょう。
1994年から国内販売を開始した3代目ゴルフカブリオは2リッター直4エンジンを搭載。国内外で高い人気を誇り、フルモデルチェンジで4代目が登場するまで販売が続けられました。
ゴルフは1997年のフルモデルチェンジで4代目が登場。ヴァリアントやスポーツ仕様のGTI、V6エンジンを搭載するR32が登場するなかカブリオは1999年に日本上陸。
ただ、新型となったカブリオのボディは3代目ゴルフカブリオのまま。フロントまわりのデザインを4代目ゴルフっぽくリファインした状態で販売されました。
6代目ゴルフ カブリオレ(2011年〜2014年)
イオスにその座を譲ったゴルフカブリオレが約10年ぶりに復活。ゴルフファンをはじめ、オープンモデルが用意されたことは大きな話題となっています。
復活したゴルフカブリオレは電動メタルトップが多くのオープンカーで採用されるなか、歴代モデル同様にソフトトップを採用。9.5秒でトップが開き、11秒で開閉する電動式のトップは時速30km/hまでであれば、走行中でも開閉が可能でした。
ハッチバック車と比べて、アンダーボディやサイドシルの補強がなされボディ強度を向上。快適性を高めるためウインドディフレクターを装備し、安全性を重視するため自動ロールバーを採用。シートにはオープン時でも快適に乗車できるよう、日差しを反射し温度の上昇を防止するクールレザーが用いられていました。
残念ながら7代目、および現行モデルとなる8代目ゴルフにはカブリオレが設定されていません。ドイツ本国でのオープンカー離れが進んだことが原因のようですが、復活することを願ってやまないカブリオレファンは少なくないはずです。
イオス(2006〜2010年)
ゴルフカブリオレの後継モデル(発展モデル?)として2006年にデビューした4シーター・オープンモデルのイオス。5代目ゴルフをベースに開発されました。
ゴルフカブリオレとの大きな違いは電動リトラクタブル・ハードトップを採用したこと。世界初となる5分割可能のハードトップはオープン時に約25秒でトランク内に収まることで、スタイリッシュなフォルムを実現しています。
国内仕様のパワーユニットは2リッター直4ガソリンターボエンジンを搭載。日本市場では2010年に販売を終了したものの、本国などでは同年にフェイスリフトが行われ販売が続けられました。
まとめ
これまで紹介してきたように、数多くのオープンモデルを発売してきたフォルクスワーゲン。残念ながら現在、国内で販売しているオープンモデルはありません。
一時期、販売されていたクルマの3割がオープンモデルだったドイツ。現在はSUVなどに押されていることで新たなモデルを登場させにくくなってしまったようですが、フォルクスワーゲンの新たなオープンモデルを見たいのは筆者だけでなないでしょう。