スタイリッシュなデザインの代償は後席に現れる
体格の差によっても、たとえば身長150cmの人と180cmの人ではまったく居住性は変わりますので、乗る人に合うかどうかを事前に座ってチェックすることが大事。チャイルドシートを装着する場合にも、頭上の空間が余裕だと思っていたら、チャイルドシートは台座などもあってかなり底上げされてしまうため、子供の頭でもギリギリになってしまうこともありますので、成長を考慮してチェックしてほしいと思います。
さて、あまり後席に人が乗ることはない、という人にとっては、小さなリヤドアの窓の影響はないでしょうか?
それが、そうともいえません。運転席に座って、左を振り向いてみてください。「死角が多いな」と感じたら、運転中にストレスを感じることが多くなる可能性が高いです。最近はバックモニターなどのカメラ機能が充実しているため、普段は映像を見れば死角の問題は解決するかもしれませんが、毎日乗っていれば夜間や雨の日など、カメラがあまり役に立たないシーンもあるものです。そういうときには自分の目だけが頼りになりますので、「これはちょっとムリ」と感じるクルマは避けたほうがベターです。
また、リヤドアの窓が小さいデザインというのは、抑揚が強いデザインである場合が多く、車庫入れなどバックをする際に水平感覚が鈍りがちだという点もデメリットといえるでしょう。駐車枠に対して真っ直ぐに停めたつもりが、降りてみたら斜めに曲がっていた、ということがありますので、事前に試乗できるならバックでの車庫入れも試してみるといいですね。
そして、換気などのために窓を開けて走ることが多い人なら、リヤドアの窓がどのくらい開くかどうかもチェックしましょう。ドアの中というのは、いろんな配線やら骨組みやらがぎゅうぎゅうに詰まっているもので、ドアが小さければガラス全部を下げることが難しい場合もあります。そういうクルマは、窓が全開にできず途中までしか下がらないことも。購入してから「これしか開かないの?」とならないように、確認しておきたいですね。
ということで、小さなリヤドアの窓がどのような影響をもたらすのか、ピックアップしてみました。デザインをとるか、実用性をとるか。悩ましいところですが、納得してから購入したいものですね。