クルマ好きから注目を浴びたモデルも!
SZ(1989年)
アルファロメオの創業75周年時にデビューした4ドアセダンの75。同車はトランクアクスルのドライブトレインを採用するなど凝りに凝ったメカニズムを採用していました。
その75をベースとするレース用モデルのシャシーを用いて、アルファロメオのレース部門が開発したスポーツカーがSZです。
1989年に登場したSZは3リッターV6エンジンを搭載し独創的なデザインを採用したことでアルファロメオファンだけでなく、クルマ好きから大いに注目を集めました。
ベース車となる75のメカニズムを活かしたハンドリング良さなど高い評価を得たSZでしたが、予定していた350台の生産台数に満たないまま生産が終了しています。
GTV(1994年)
フィアット・ティーポのプラットフォームを用いてスポーツクーペに仕立てたGTVがデビューしたのは1994年。本格的なスポーツクーペとしてはアルフェッタGT(後にアルファロメオGTVへ車名変更)以来のモデルとなりました。
ピニンファリーナ(のエンリコ・フミア)が手掛けたスタイルは個性的かつ先鋭的。小型4灯ヘッドランプやスパッと切り落とされたリヤセクションはいま見ても斬新です。
用意されたパワーユニットは多彩で、2リッターV6ターボエンジンをはじめ3リッターV6、さらに排気量を拡大した3.2リッターV6に加え、2リッター直4エンジンまで搭載されました。
オープンモデルのスパイダーが2シーターだったことに対し、クーペのGTVは後部座席を用意。ただ、大人が座るスペースはなく、実質は荷物置きとして活用される空間でした。
アルファGT(2003年)
世界的に大ヒットを記録した4ドアセダン156(一部、156スポーツワゴンや147のパーツも使用)のプラットフォームやパーツを用いて開発されたクーペがアルファGT。クーペではあるものの、ホイールベースは156から短縮されず2529mmのままでした。
そのためデザインは正直パッとしませんが、このクルマ最大のメリットは実用性の高さ。大人4人が座ることができる室内空間と大容量ラゲッジルームを備えています。
国内で販売されたモデルには2リッター直4エンジンと3.2リッターV6エンジンをラインアップ。インパネなどは156ではなく147のパーツが流用されました。
ブレラ(2005年)
イタルデザインが手掛けたコンセプトカーを源流に、アルファGTVの後継モデルとして開発されたブレラ。コンセプトカーはV8エンジンを縦置きに搭載するFRでしたが、生産車のブレラは159をベースとしたことでエンジン横置きのFFとなりました。
ブレラの魅力はそのスタイルで先に紹介したGTとは異なりクーペらしいフォルムを採用。とくにリヤエンドはグラマラスだと多くの人から評価されています。
ただ、アルファロメオのファンにとって「う〜ん……」となったのがパワーユニット。当時、アルファロメオはGMと提携していたことでエンジンのシリンダーブロックが同社と共用していたのです。
その影響があったのでしょうか、デビューから約4年後の2010年に生産を終了。アルファロメオのクーペとしては短命で終わってしまいました。
8C(2006年)
2003年にコンセプトカーを公開し、その後、2006年に500台限定生産されることとともに実車を発表。2008年から販売が開始されたアルファロメオのスポーツカーが8Cです。
アルファロメオが戦前に手掛けたレーシングカーをオマージュした8Cのボディは独自のもの。スチール製プラットフォームにカーボン製パネルを組み合わせたボディに最高出力450馬力を発揮する4.7リッターV8エンジンを搭載し、最高時速は290km/hを発揮しました。
8Cは2009年に予定されていた販売台数を送り出し生産終了となりましたが、その後、オープンモデルの8Cスパイダーが8C同様、500台のみ限定製作されています。
4C(2013年)
カーボン製タブにアルミサブフレームを結合した高剛性かつ軽量ボディを備えるスポーツカー4C。8Cにも似た流麗なフォルムを備えたミッドシップスポーツカーは2013年に登場しました。
ミッドシップに搭載されるパワーユニットは最高出力240馬力を発揮する1.8リッター直4ガソリンターボエンジン。トランスミッションは6速DCTを組み合わせ、0-100km/hは4.5秒、最高時速250km/hを発揮します。
ボディサイズは全長3990mm、全幅1870mm、全高1185mmとコンパクト。4Cはクーペだけでなくオープンモデルのスパイダーもラインアップされました。
生産はクーペ、スパイダーともにマセラティが担い、デビューから特別仕様車や限定車を発売しながら2020年まで販売が続けられました。
まとめ
近年、他メーカー同様にSUVへ力を入れているアルファロメオですが、これまで登場してきたクーペを振り返ると現在、同社のクーペが販売されていないのは残念でなりません。
いつの日か、美しいボディを身にまとったアルファロメオのクーペが復活することを心から期待します。