ネオクラシックスポーツカーオーナーの必需品! アルパインが手掛ける愛車を盗難から救うGPSトラッカー「マモルカ」を使ってみた (2/2ページ)
愛車の盗難対策に有効なアイテムとサービスが登場!
前述のとおり、窃盗団は盗んだクルマを速やかに処理してお金に変え、証拠を隠滅する。そのために、彼らは「ヤード」と呼ばれる工場のような拠点を持っていることが多い。もちろん、表向きは会社であったり、外から見ても「廃品回収業者」のような佇まいなので、日常の光景に溶け込むようにカモフラージュしている。
※画像はイメージ
しかし、そこは犯罪の重要拠点であるため、易々と場所がバレるわけにはいかない。なので、最近の窃盗団は盗んだクルマを1度どこかのコインパーキングや月極駐車場に放置して、「GPS」などが装備されていないかを確認する手段をよく取る。もしGPSが装備されていれば、そのクルマは位置情報を元に早急にオーナーや警察にその場から回収される。犯人は、車両がオーナーに戻ることによって検挙されるリスクが下がり、基地であるヤードがバレることも防げるというわけだ。なので、GPSの装着はネオクラスポーツカーのオーナーにとって今や必需品とも言える。
そこで今回、ネオクラスポーツカーオーナーたちに紹介したいアイテムが、クルマのオーディオやドライブレコーダーといった周辺機器でパイオニア的存在であるアルパインがこの春に販売をスタートさせた新製品「マモルカ」だ。
この小さな黒い端末はGPSトラッカーとなっており、オーナーの意図しないシーンでクルマのエンジンが掛かったのを検知すると、オーナーのスマートフォンなどに通知がいくような仕組みとなっている。窃盗団は、駐車場の前や真ん中に堂々と積載車を置いて盗むようなことは滅多にしない。多くは2台1組などのペアとなって自走で逃げるので、エンジンが掛かったかどうかの通知は非常に重要な情報となる。
なので、オーナーは自分や関係者がいないのに、愛車のエンジンが掛かったら100%異常に気が付くはずだ。これにより、もし万が一盗難の被害に遭っていたらすぐに事態に対応できるのだ。
この「マモルカ」、現在はアルパインの公式サイトから購入することができる。
手順としては、サイト内でユーザー情報などを登録し、製品を購入。後日「マモルカ」が自宅に届いたら、原則として自身で施工するといった流れだ。セット内容は本体とSIMカード(セット済み)、蓋固定用のネジ、配線、車両の適所にユニットを貼り付けできる両面テープと説明書、登録方法を記載した用紙だ。今回はターゲットになりやすい日産R32スカイラインGT-Rに施工してみた。
まず、電工ペンチなどを使って、付属の配線を加工し、市販されているギボシ端子やクワガタ端子をつける。3本の配線はそれぞれ「アース線(黒)」「アクセサリー(赤)」「バッテリー(黄)」となっている。配線加工の作業はたったこれだけだ。
電源を取る場所に指定はないが、エンジンを掛けたら通電する場所であることが必要であるほか、バッテリー線がつながる常時電源が必要なので、それぞれ然るべき場所から取るようにする。”見つからないように”するのがキモなので、本来は表から見えにくいオーディオの裏などから電源を取るほうが安心できるのだが(ユーザーの愛車次第)、今回は撮影の都合もあり車内のヒューズボックスから電源を取ることにした。なお、電気関係の箇所を触るので、安全対策として施工前に車両のマイナス側のバッテリー端子を外しておこう。
ちなみに、配線には市販の加工済みヒューズ電源やエレクトロタップなどを使うと簡単に作業できる。また、配線が細いほか、車種によっては複雑な取りまわしになってしまう可能性もある。そうなると絡まってしまったりして処理が大変になってしまうほか、見栄えもよろしくない。なので、コルゲートチューブなどで配線を保護するひと手間を加えるのがオススメだ。
それぞれ電源が繋がるように配線をしたら準備は完了。バッテリー端子を戻して電気が来るような状態になったら、コネクターを繋いで、10秒以内にイグニッションをONに。機器に内蔵されている「緑」と「赤」LEDランプが点灯・点灯することを確認し、LEDが消灯したら接続は完了となる。ちなみに消灯までは数分を要する。GPSが受信できるよう、屋外などの電波が良いところで作業するのがベストだ。ユニットのラベルには「⬆︎UP SIDE」と書かれているので、その面が上に来るようにしよう。最後に付属の蓋とネジを使用して端末上部を閉めれば完成だ。
LEDが消灯したら、WEBコンソールを開いて自車の位置を確認するのと同時に、「端末との初回接続に成功しました」と表示されたら接続は完了だ。あとは、訪れてほしくない万が一の事態が来ないように祈るだけ。なお、車両の名前などはWEBコンソール上の「端末名」というところで任意に変更もできる。なお、このページはスマートフォンからでもPCからでもアクセス可能。ただし、アプリではないのでその点はご注意を。
ちなみに前述したとおり「如何にバレずに設置するか」が大切だ。よって、ここでオススメの取り付け場所を紹介するのはナンセンス。なので、具体的に「ここに設置するべし!」とオススメできないが、窃盗団が乗り込んですぐに発進、クルマを置くといった流れのなかで、探すのに手間が掛かる場所や盲点となる場所に設置するのがベストだろう。配線もある程度長いのでスポーツカーサイズならどこでも設置できるはずだ。ただし、GPSが受信できる場所なのが大前提なのでそこは注意が必要。設置場所を確定する前にしっかり位置情報が反映されるかをチェックしよう。
この製品は、コンパクトなのにもかかわらず以下の内容がWEBコンソールで確認できることも、ほかの製品にはあまりない特徴となっている。クルマのことを知り尽くしたアルパインならではのノウハウが光るポイントだ。
位置情報表示
・現在地 アイコン表示
・駐車中 アイコン表示
・WEBコンソール/ポップアップ通知
・走行履歴 アイコン表示
・位置情報 取得日時表示
・走行時刻/地図上カラー分け表示
・走行速度/地図上カラー分け表示
・出発地点 アイコン表示
・到着地点 アイコン表示
・走行履歴/日時指定検索
・表示・駐車位置 /アイコン表示
・駐車位置/滞在時間表示
盗難発生時アラート
・盗難監視モード
・車両盗難LINE通知
位置情報共有
・WEBコンソール 他者アクセス許可 ワンタイムパス
※一部機能は、2023年中にアップデートで搭載予定。
最後にエンジンをOFFにした位置もアイコンで表示する機能が備わっていたり、盗難後の走行軌跡(履歴)を確認・記録できる仕様にもなっている。なので、もし装置の存在に気が付かれても、逃走した方面がわかるのだ。そのほか、LINEへの通知機能や、意図しないACC電源ONを検知したときの通知にも対応する。なお、クルマの位置情報は1分間隔で更新される。
ちなみに、この機能は2023年秋頃の実装を目指しているので、現在はまだ使用できない。しかし、先述の通り実装後は追加料金なしで使用できるのが嬉しい。
※画像は開発中のサンプル画面となります
精度も非常に高く、設置後にテストをしてみたところ、寸分の狂いもなく自車の情報が地図上に反映されたのには驚いた。また、お馴染みのGoogle MAPへのリンクもあるので、表示されている地図よりもさらに詳細な位置情報を確認できたり、そのまま装備されたクルマの位置まで、Google MAPのルート案内を用いて行くことができる。秋以降の実装後は、より強力な保険になるはずだ。
そして最後の項目にある「位置情報共有」という機能。これはかなり心強い機能なので少々触れておきたい。これは、限定した期間内なら位置情報にアクセスできる、一度きりのパスワード「ワンタイムパス」を発行できる機能だ。この情報とパスワードを利用すれば、盗難後すぐに警察などの他者へ愛車の位置情報提供ができる仕組みとなっており、通報後速やかに関係各所と連携が取れるというモノ。残念ながら、日本の警察はクルマが盗難されても必死に探すことが少ないと言われているので、こういった情報を共有すれば、動かぬ証拠として動いてくれる可能性が高い。
こちらも先に紹介した走行軌跡の記録モードと同じく、2023年秋頃の実装を予定しているので、もうしばらくお待ちを。
シンプルかつ心強いアルパインの「マモルカ」は、端末を購入後、毎月一定の利用額を支払う仕組みとなっているが、利用料が非常に安価なのもポイント。また。現在実装されている機能とはほかに、後からアルパイン側より機能が追加されるのもこのGPSトラッカーの大きな強みなので、アップデート内容次第では更なる盗難対策用コンテンツが増える可能性もある。
気になる端末価格は1万2800円で、通信費は毎月たったの880円だ。送料や登録手数料は無料となる。※初回は端末代に880円が含まれているので、合計で1万3680円。
盗まれても同じ型のクルマは買えるかもしれない。しかし、愛車と一緒に歩んだ時間や思い出は取り戻せない。愛車は唯一無二の存在なのだ。
そんな愛車をたった月額880円で守れるのだから、使わない手はないだろう。
※スマートフォン内の画像はイメージ
ネオクラスポーツカーオーナーはもちろん、盗難リスクが高いランドクルーザーやハイエースなどのユーザーも、この機会にぜひ導入を検討してみてはいかがだろうか。