デメリットもないわけじゃない
ではここで、走りに関しても少し言及しておきたい。それは、ドライブモードを問わずサスペンションが明確に硬くなり、乗り心地が大幅に悪化したことだ。
路面の凹凸を乗り越えた際、乗員へ伝わる衝撃が重く大きくなったのもさることながら、とくに車体のリヤ側が跳ねやすくなったことで、視界が上下にブレやすく、また首や腰への負担も大きくなっている。
そのハードさは、かの悪名高いFD2型シビックタイプRに匹敵する……と言えば、当時を知る読者の方には伝わるだろうか。筆者は首・腰とも椎間板ヘルニアを長年患っているため、新型シビックタイプRに長時間乗り続けるのは憚られるのが本音だ。ただし、「+R」モードにすると、路面からの入力自体は強くなるものの、リヤの跳ねはすぐに収束するようになるため、街乗りではむしろ快適に感じられたことは付け加えておきたい。
以上のように、シビックタイプRが良くも悪くも驚きに満ちたスポーツカーであり、刺激的な人生を楽しめる相棒となるのは間違いない。目下の問題は、いつ受注が再開されるのか、そして納期が長かろうとも果たして購入自体が可能になるのかどうか、ということだが……。