たかが「ボディカラー」で下取り価格に100万円の差も! クルマ別の買って「いい色」「ダメな色」 (2/3ページ)

コンパクトカー、軽自動車ならポップなボディカラーも悪影響なし

 かつては、「メタリック色が定番」とされていたドイツ車も、現在はホワイトが人気色となっており、シルバーメタリックはマイナス要因になるケースもあると聞く。輸入車については、一定台数以上を販売しているドイツブランドについては、ボディカラーをあれこれ検討できるが、そのほかの輸入車では絶対的な流通台数が少ないうえ、趣味性が非常に高く、それぞれで傾向がまちまち。購入を検討している人はそのあたりは熟知しているだろう。

 赤や黄色、ピンクといった派手めの色は、日本では「葬儀などの仏事に乗って行きにくい」などを理由に敬遠されやすい半面、女性が好む傾向。そのため女性ユーザーが多い軽自動車やコンパクトカーは、中古車市場でも需要があるため選んでも問題ないようだが、セダン系などは大幅にマイナスに働く傾向が強いので注意したほうがいいかもしれない。 どうしても派手めのボディカラーを選びたいなら、新型車としてデビューしてマイナーチェンジを実施するまでの〝前期モデル〞のうちに購入したほうがいい。なぜなら、大半の車種はマイナーチェンジの際にボディカラーの設定の見直しが行われ、とくに赤系のボディカラーは廃番となるケースが多いからだ。

6年以上乗り続けるつもりならリセールを意識する必要なし

 現在は、多様性を重んじる世の中になっているため、販売現場では、「昔ほど人気色・不人気色を決めつけることができなくなってきている」という話も聞いた。

 とはいえ、ミニバン系で、「パールホワイト、あるいはブラックパール以外を選ぶと痛い目に遭う」というのは、もはや常識。たしかに、街中で見かけるアルファード(/ヴェルファイア)はパールホワイトか黒系のボディ色ばかり。しかし、カタログには、この2色以外にもボディカラーは存在する。アルファードのようにボディカラーが定番化、しかもアルファードの中古車は日本だけでなく世界的にも人気が高いため、パールおよび黒系以外を選ぶのは相当にリスキーで、リセールバリューの不利さは覚悟すべきかもしれない。ノア&ヴォクシーやセレナといったミドルサイズのミニバンもこの傾向は同様。また、受注終了となったが、現行クラウンもアルファードと同じ傾向と考えていい。

 ただ、人気色を外すとリセールバリューに致命的な影響が出るかといえば、前述のミニバンやクラウンなどの高級セダン以外はあまり気にしなくていいかもしれない。6年以上乗るつもりなら減価償却しているため、(ごく一部の車種を除いて)そもそもリセールバリューを意識する必要はない。自分の好きなボディカラーを選べばいい。リセールバリューを意識してボディカラーを慎重に選んだほうがいいのは、初回(新車から3年後)の車検、もしくは2回目の車検(同5年後)までにクルマを乗り換える人だけだろう。

ディーラーでの査定値の差はわずか中古車相場が大きく影響する買取店

 コンパクトカーをはじめとしたカテゴリーで、カラーバリエーションが増えている。たとえばヤリスは、さまざまなボディカラーを街中で見かける。日本の社会も多様化が進んでいるため、同一車種でボディカラーによって将来的な価値に差が生じやすいというのは、限定的なものになりつつあるのかもしれない。

 ディーラーの下取りも、買い取り専業店の買い取りでも、基本的には中古車の相場を意識した査定(値付け)を行なっているのだが、下取りは新車の値引き支援という側面もあるため、新車の値引き額の不足を査定額に上乗せするのは常套手段。そのため、人気色のほうが「無理が効きやすい」といった程度。決定的な差ではない。一方、買い取り専業店は中古車相場を強く意識するので、車種によってはボディカラーで生じる差は、大きくなりやすい。

 ともあれ、ボディカラーで迷ったら自分ひとりで悩まず、好みの色合いを基本に、セールススタッフのアドバイスを参考にしながら選べば、それが最良の選択になるはずだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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