各国でBEV路線バスが活躍している
まだまだ路線バス全体のなかでのBEV路線バスの数はそれほど多くないのだが、やはり気になったので実際乗ってみることにした。とはいっても東京都内などのようにある程度路線図を網羅しているわけでもないし、ゆったり乗りたいので空いている車両がくるのを待っていると、いよいよRACブランドのBEV路線バスに乗車することができた。
あらかじめ地下鉄も乗ることができる交通系ICカードを作っており、中扉から乗車する時に専用端末にタッチして乗車となる。最後部席に座ることができた。やがてバスは発車するが、2019年に台北市で乗ったBYD K9に比べると、モーターあるいはインバーターなどから発せられるノイズ(K9はディーゼルバスと異なるうるささがあった)も少なくスムースに加速していった。台北のバスはシートバック(背もたれ)が大きく、さらにシートベルトがついているのも特徴である。K9がうるさいバスというわけではなく、コロナ禍の3年でさらにBEV路線バスも進化しているのかもしれない。
※写真はイメージ
バンコクではなぜか車掌さんがいたし、乗ろうと思えば街なかをBEV路線バスがジャンジャン走っている。インドネシアの首都ジャカルタも中心部はBYD製のBEVロエンバスがガンガン走っている、ソウルでも市内をたくさんのBEV路線バスが走り、実際筆者は3ブランドのBEV路線バスに乗ることができた。
アジア各国の大都市ではBEV路線バスに乗ることはそんなに珍しいことでもないのに、一方で東京23区内ではトヨタのFCEV(燃料電池)路線バスは走っているものの、BEV路線バスは一部コミュニティバスで走っているぐらい。自国メーカー製車両がないなか、世界的自動車製造国である日本では今後外資頼みでBEV路線バスの導入が進んでしまうのだろうか。それはなんとも寂しいことである。